気になるニュース・気になる内幕——今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。
2001年3月9日付
●三菱自工、ボルボと提携解消へ、ダイムラーと全面協力(日経・1面、関連記事13面)
●トヨタ、スズキもコスト削減へ鋼板調達先絞る(日経・1面)
●ソニー、豊田自動織機の出資会社「液晶表示装置(LCD)の生産能力大幅増強」(日経・11面)
●GM、日本で電子商取引事業、トヨタとインフラ共有化(日経・11面)
●社説・道路交通法改正、「悪質運転の厳罰化を徹底せよ」(読売・3面)
●21世紀日本企業・技術編「ITS」苦戦続く携帯情報端末(読売・10面)
●日本GM「オペル・ベクトラ」新車種発売(読売・10面)
●三菱自工へのダイムラーの関与、ボルボが排除要求(毎日・9面)
●パリダカ、「増岡(三菱パジェロ)のVだった」FIA計時ミス認める(毎日・22面)
●「なんちゃってパトカー」宮城県警偽装パトカーを押収(毎日・30面)
●主張・ゴーン流経営「指導者次第で変化起こる」(産経・2面)
ひとくちコメント
「寄ってたかって三菱イジメ」というわけでもないだろうが、きょうの各紙も三菱自動車の話題が満載。英国のロイター通信が「スウェーデンのボルボ・トラックが、資本提携先の三菱自動車の保有株式約3%をダイムラー・クライスラーに売却する」と報じたのを受けて、今夏をめどに設立する予定だったボルボと三菱との合弁会社の出資も白紙撤回する動きが出てきたからだ。
朝日は「自動車再編第2幕へ」との見出しで、両社の提携解消が具体的に動き始めたことから、ボルボの次の提携先として、ルノーが筆頭株主の日産ディーゼルを含めて模索していると報じている。今回、トラック事業でのボルボと三菱の提携が解消される背景には、三菱がダイムラーとの資本提携を強化したことが大きく影響している。
ダイムラーとボルボはトラック市場でライバル関係にあるため「資本のねじれ」を生じていた。三菱の関係者によると「トラックを共同開発するため、ボルボ負担分の開発費約20億円を期限の3カ月を過ぎても支払ってこなかった」と、ボルボが支払いを拒否していたことが、蜜月関係を悪化させる致命的な原因だったという。企業間の合従連衡もカネの切れ目が縁の切れ目ということか……。