ギネスブック公認、イギリス一周コースで世界一の好燃費を記録した宮野滋氏がエコランの技を惜し気もなく公開する!!
Q.燃費のいいクルマとはどのようなクルマでしょうか。
A.自動車メーカーのエンジニアが燃費の良いクルマを目指して作れば作れるんです。91年に発売されたホンダ『シビックETi』は、希薄燃焼エンジンと高いギヤ比のMTの組み合わせで軽自動車より燃費が良いクルマでした。それを使って92年と93年にギネス記録に挑戦しました。その後にそれを超えるような燃費のクルマが出てこなかったので、挑戦できませんでした。
トヨタ『プリウス』もATの4ドア車としては非常にできが良く燃費の良いクルマだと思います。でも車重が1240kgもあるので、930kgのシビックETiと一緒に走らせてテストしたらおよばなかったので、挑戦には使えませんでした。
『インサイト』は、2シーターと割り切ったことで830kgという軽量ボディをアルミモノコックで作った。それに燃費の良いエンジンを開発して積んだから、世界一燃費の良いガソリン車ができたわけです。記録もシビックETiの30.42km/リットルから36.33km/リットルと大幅に伸ばすことができました。
軽自動車はそれほど燃費は良くありません。660ccという排気量とボディの重量とのバランスが悪いんです。エンジンを回して走らないと交通の流れについて行けない。だから1リットル・クラスのクルマの方が燃費が良いわけです。でも、660ccのエンジンがまずあって、これで燃費の良いクルマを開発しろという命題をエンジニアに与えれば、『スマート』みたいな小型コミューターを作ると思います。軽自動車の規格ギリギリのボディを作ろうとするからバランスを崩すわけで、エンジンをそれに合った小型ボディに載せれば燃費の良い軽自動車はできるんです。