今回のモーターショーは商用車ショーのため、なんとなく地味な印象をお持ちの読者の方もきっと多いことだろう。だけど会場に足を踏み入れてもらえれば、コンパニオンのお姉さんの笑顔はいつもどおりだし、その他の展示物もそう差異がないことはわかってもらえるはずだ。
このショーで味わえる隠れた楽しみといえば、コンパニオンのお姉さんをコッソリ撮る…ではなく、会場の片隅に点在している各種のシミュレーターだろう。そう、ありとあらゆるシミュレーターがあるので、歩き疲れたらそれらを楽しむのも良いだろう。
目玉は3つで、一つ目は日本損害保険協会が出展している「横転シミュレーター」だ。これはシートベルトをしっかりと着用した状態でクルマを180度ひっくり返してしまうというもの。日産『マーチ』の実車に巨大なアームを貫通させ、それによってぐるりんと回転させてしまう。記者自身、雪道で滑って崖にクルマごと「落ちかけた」ことはあるが、1回転の経験はさすがに初めてであり、かなり焦った。これは体験しておけば万が一のときに(たぶん)役に立つ。
二つ目は千葉県が出展している起震車。言うまでもなく「地震シミュレーター」だが、このクルマは最新型で、実際に起きた地震のデータを波形として記憶しており、完全に再現ができる。記者は関東大震災と、兵庫県南部(阪神・淡路)地震を体験させてもらったが…。きっとこれも何かの役に立つだろう。
最後は千葉県警が出展している運転シミュレーター。一部の免許試験場には設置済みだが、それをもっと高度化したタイプだ。要普通免許が条件だけあって、挙動はかなりリアル。誤って人を跳ねた瞬間もリアルで、しかも状況の再現を多方面からできる。こっちがぶつけているのに、被害者視点だと「うわ、痛ぇ」と思わずつぶやくほど。これも何かの役には…立つだろうか?