先週末、都内で開催された民間ITS企業らを対象にしたセミナーの席上、郵政省のITS担当者が「ITS関係5省庁(通産省・運輸省・建設省・郵政省・警察庁)が共同で、ITS企業への資金投入枠として、財政投融資(財投)1000億円を新規に確保するよう要望している」こと明らかにした。
郵政省が提唱する次世代ETC(ETCの多目的利用)のハード・ソフト環境整備をはじめ、ITS関連への投資には莫大な資金が必要とされており、この研究・開発を滞らさないことが狙いだ。もちろん銀行など民間金融機関の貸し渋りも背景として指摘できるだろう。つまりITSガラミの研究・開発は、銀行の貸し渋りなどで水をさすことを許されない「国策」ということだ。
郵便貯金などを資金源にし、これまで高速道路建設をはじめとする公共事業にジャブジャブとそそがれてきた財投が、ITSに注がれようとしている事実は、ITSが20世紀型公共事業にかわる代替物なのだと物語っているかのようだ。
なお同ITS担当者は財投の枠確保の見込みについて「年内には、みなさん(民間ITS企業)にいい報告ができると思う」としている。