日産自動車のカルロス・ゴーン社長は31日、トニー・ブレア英首相とロンドンの首相官邸で会談した。ポンド高のためイギリスを欧州の生産拠点にしている日産は大陸への輸出で苦戦している。
ゴーン社長は早期のユーロ参加を含めてポンド高対策を迫ったものとみられる。 これまでにゴーン社長は、次期『マイクラ』(日本名『マーチ』)の生産をバルセロナ工場などで行うことも示唆しており、会談でも同様の考えを伝えたとみられる。
ブレア首相は日産がイギリス北東部にあるサンダーランド工場の生産を縮小した場合、雇用に影響が及ぶことを懸念。日産に対し1億ポンド(約160億円)、一部報道では5000万ポンド(約80億円)の補助金を出すことを検討していると伝えられるが、日産側もイギリス側も確認していない。
イギリスでは、フォードがダゲナム工場での車体生産を中止する方針を示すなど、自動車業界の撤退や生産縮小が相次いでいる。またブレア首相は、先にフォードや、英国自動車製造・販売者協会の代表とも協議したという。