首都高速道路公団は27日、2002年度から通行料金を値上げし、一般車の場合には現行700円の通行料を、800円にする必要があるとの試算をまとめた。
値上げの要因として、首都高公団が挙げているのが、現在建設が急ピッチで進められている通称「C2」と呼ばれる中央環状新宿線(目黒—板橋)の工事費用が当初予定より増加し、900億円程度も余計にかかることになったため。同路線は、都内の一般道路環状線としては最も内側にある「山手通り」の地下に建設されている。ほぼ全区間をトンネル部分が占めるが、当初の予想よりも地盤が弱く、トンネルの深度を下げたことが建設費の増大に直結した。
首都高公団はこの発表と同時にも今後の3年間で130億円の経費節減努力をする方針を示しているが「それでも工事費増大の回収は難しく、現状では値上げ以外の選択肢がない」としている。景気回復が実感として得られない中での値上げは、各方面からの反発を招くことは間違いないと見られ、首都高公団も極めて低姿勢なスタイルで発表を行ったが、値上げに見合う効果があるのかどうかは疑問だ。