1995年、ルノーがフランクフルト・モーターショーに展示して話題をさらったコンセプトカー『イニシャル』が、トリノに展示された。しかもルノー・ブースではない。「デザインのメーカー」ルノーを象徴するようなコンセプトカーだったが……。
じつはルノーのデザイン案をもとにプロトタイプを作ったのは、イタリアのGストゥディオというプロトタイプ開発・制作会社なのだ。イニシャルはGストゥディオのブースに飾られていた。Gストゥディオは質の高い仕事で有名であり、ルノーとのパートナーシップは長い。最新のルノー・コンセプトカー『コレオス』(3月のジュネーブ・モーターショーで発表)も、ここでプロトタイプが作られた。
クライアント企業による展示が終わった後のショーカーはこうして制作者のブースに飾られ、ショーを訪れた他社の目に止まり、今度はウチのも、となるわけ。