スマート&イージーアクセス。これが『セディア』のインテリア・デザインのテーマという。パソコンか?と思わせるような聞き慣れないテーマだが、室内長1880mmX室内幅1425mmX室内高1185mmを確保したスペースユーティリティとともに、インテリアは細部に渡り、凝った仕様になっている。
まず目をひくのは、インストルメントパネルと一体化したユニークな木目調センターパネル。左右に配されているパネルは、運転席から遠くなるにつれ、その幅を狭くしていくことで、遠近感のもたらす開放感を与えている。
センターに配置されたオーディオやエアコン類は、とくにスイッチの大きさと配置に高い操作性が感じられる。「やはりこのクラスになると、対象となる年齢層も高くなりますので、とくに使いやすさを意識してデザインしました」と、三菱自動車・乗用車デザイン室の石井成久チーフデザイナーはいう。これもユニバーサル・デザインのひとつといえよう。
「いちばん大変だったのは、視認性と操作性を高めるため、パネル全体の傾斜を強めたことです」たしかに垂直面に配されたタイプに比べて、傾斜面のスイッチは操作する際に手首に無理がない。半面、光の直射を避けるため、カーナビのディスプレイは垂直に立て、その下に生まれたスペースにスイッチ類を収めている。結果として、操作性を損なうことなく、パネル全体がすっきりとレイアウトされている。
「やっぱり長く乗ってもらいたいですから」と石井さん。携帯電話のデザイナーもぜひ参考にしていただきたいプロダクトデザインの一例といえよう。