現在フォードの電気自動車コンポーネントの生産を行っているビステオン部門が、今年いっぱいで独立企業となる。ビステオンはすでに年間190億ドルの売り上げを持つ電装パーツ部門で、今後『エスケープ』のEV版などが発表されることからも、早期の独立が期待されていた。
自動車部品メーカーのビステオンは、1997年にフォ−ド自動車の部品部門が組織的に独立して子会社になったものだが、今回、フォ−ド所有の株式が放出され、資本的にも独立することになったもの。99年の収入は88%をフォードグループから得ている。
ビステオンの独立はまた、フォード自動車のコンシューマー・サービス戦略の一環でもある。現在のフォード株主は株式分配によりビステオン株を受け取る権利を持ち、さらに1株20ドルでの特別配付の対象にもなる。こうした株主サービスを実施することでフォードへのロイヤリティを確保し、消費者優先の企業姿勢をデモンストレーションすることも今回の独立の大きな理由のひとつである。
フォードはエスケープEVのプロトタイプを発表しており、来年これが生産に移されればビステオン株にはかなりの注目が集まると期待されている。