運転中の携帯電話禁止、アメリカの場合は?

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日本では禁止となった運転中の携帯電話だが、アメリカでは法律として禁止しているのはカリフォルニア、フロリダ、マサチューセッツの3州だけ。しかも携帯電話が事故の原因かどうかを警察の調書に書くことが義務付けられているのはオクラホマ、ミネソタの2州だけ。

しかし携帯電話での通話に気をとられたことが原因と見られる事故は全米でうなぎ登りに増えており、草の根運動で運転中の携帯電話を禁止に、という動きが盛んになってきている。なんと多くの州で、ドライバーが「携帯電話で話をしていて気をとられた」と供述しても、罰金としてよそ見運転の50ドルが課せられるだけ、というのが現状なのである。

ペンシルバニア州ではこうした携帯電話のための事故で娘を亡くした母親の訴えを汲み取り、「携帯電話で話しているだけなら警察に止められないが、携帯で話している途中に違反をすれば75ドルの罰金が付加される」という法案を先月から実施している。しかし母親が訴える「携帯の非常時以外の使用禁止」には至っていない。

現在自動車メーカーなどが進めているオートPCにも同様の問題がはらんでおり、NHTSAによると運転中のインターネットでは携帯電話より多くの事故が起きる可能性がある、という調査報告もある。ハンドフリーでボイスコマンド機能を持ったものでも、事故につながる危険性は減少しない、という指摘もあり、自動車の未来化を目指すメーカーの思惑とは反する結果となっている。

現在アメリカでは州レベルの携帯電話運転禁止の法案はできなくとも、少なくとも300の市町村レベルの自治体では自粛を要求している。今後この問題はインターネットの使用も含め、アメリカ全体で議論が高まることになりそうだ。

《Sachiko Hijikata, US editor》

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