11月30日、第6回ダイムラー・クライスラー シンポジウム『モビリティの未来・燃料電池最前線』が開催された。もっとも有力な次世代パワー・ユニットとして注目される燃料電池が今回のテーマだ。
パネラーとして登場した、ダイムラー・クライスラー・ヴァイスプレジデント(燃料電池プロジェクト統括) フェルナンド・パニク氏は「燃料電池の市場投入はまだ先なのに、すでに開発競争は激化している。しかしダイムラー・クライスラーは、いまの段階から多くのパテントを取得している。これはリーダーシップを発揮するのに重要なことである」と、知的所有権を握り燃料電池開発のイニシアチブをとっていくとの戦略をあきらかにした。 さらに「燃料電池はこの20年でかなりシェアが増え、早い時期に内燃機関のライバルになると予測している。2020年には20〜25%のシェアを占めるといわれているし、あるいはもっとも保守的な分析でも5%といわれている。そして、その後、急速に伸びるだろう。ゆっくりか早いかのスピードの問題で、普及は間違い無い。さらに競争力をもたなくてはならない」と市場の展望を語った。 その根拠として「代替エネルギーの必要性と関連が有る。原油の輸入を少なくする。環境をよくしよう。日本においては、燃料の多角化。石油依存率を下げなくてはならない。これらが燃料電池普及の推進力になる」とした。 ただし現状では「燃料電池の課題はコスト・重量・容量・耐久性・コールドスタートにおける問題、さらにはカスタマ−メリット。ユーザーは内燃機関あるいはそれ以上の性能を望んでいる」と、ダイムラー・クライスラーが燃料電池自動車の量産を目指す2004年までにクリアしなければならないハードルが山積みのようだ。 |