XSTO『X12』がグッドデザイン金賞、階段も自在に---人の移動能力を拡張するロボット

XSTO X12
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日本デザイン振興会は10月15日、2026年度グッドデザイン賞の受賞結果を発表した。モビリティ分野では、中国のエックスエスティーオー(XSTO)が開発した移動ロボット『X12 Embodied Mobile Robot』が、グッドデザイン金賞(日本デザイン振興会会長賞)を受賞した。

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グッドデザイン金賞は、その年度のグッドデザイン賞受賞対象の中から、特に優れたデザインと認められたものに贈られる。2026年度は5111件が審査対象となり、1484件が受賞。このうち19件が金賞に選ばれた。

◆車輪とクローラーを組み合わせ、階段にも対応

『X12』は、AIを活用した全地形対応型の搭乗型移動ロボットだ。車輪とクローラー(履帯)を組み合わせた走行機構を採用し、平坦な路面だけでなく、階段や段差、傾斜路、不整地などでの移動を可能にする。

走行方式は、4輪モード、車輪・クローラー併用モード、2クローラーモードの3種類を備える。4輪モードは屋内の床面や芝生、砂利道などに対応。車輪・クローラー併用モードは階段や縁石などの段差を乗り越える際に使用する。2クローラーモードは、大きな段差や不整地で安定した走行を支える。

複数のセンサーと独自の制御アルゴリズムを組み合わせ、路面状況に応じて走行モードや車体角度、駆動力を調整する。階段を検知して走行モードを自動で切り替える機能も備える。

座席には姿勢を自動調整する機構を採用した。傾斜した場所でも座席の水平を保つことで、乗員の安定した姿勢を支える。また、高精度LiDARで周囲を検知し、障害物への接近や転落の危険を警告する。

主要諸元は、最高速度12km/h、平坦路での航続距離35km、最大積載量136kg。階段の昇降速度は上りが毎分25段、下りが毎分30段となっている。

●車椅子の延長ではなく、人の移動能力を拡張

グッドデザイン賞の審査委員は、ユニバーサルデザインが進む中でも、車椅子利用者にとって階段が依然として大きな障害となっていることを指摘。X12が人の助けを借りずに階段を昇降できる点を高く評価した。特に、従来の車椅子の延長ではなく、人の移動能力そのものを拡張するロボットとして設計した点に、新規性があるとしている。

また、車輪とクローラーを組み合わせた複雑な走行機構を持ちながら、その構造を過度に主張しない外観デザインも評価。座面の水平維持や高さ、姿勢の調整など、利用者と周囲との関係まで考慮した設計にも注目している。審査委員は、X12について、従来の福祉機器というカテゴリーを超え、身体能力を拡張するモビリティの提案と位置づけ、「どこへでも行ける」という未来を現実に近づける製品だと評価した。

●中国の移動ロボットメーカー、前年も受賞

エックスエスティーオーは2014年に設立された中国の企業で、広東省中山市に本社を置く。広州市には研究開発・マーケティング拠点を構える。全地形対応型の移動ロボットやスマートモビリティ機器の研究開発、設計、製造、販売を手がけ、世界70以上の国と地域で事業を展開している。

同社は2025年度にも、セルフバランシング車椅子『M4』でグッドデザイン賞(Gマーク)を受賞している。M4は車体の姿勢を自動調整し、坂道や段差などでも安定した移動を支援する製品だ。2026年度のX12による金賞受賞で、2年連続のグッドデザイン賞受賞となった。

ヤマハ EAD50ヤマハ EAD50

◆グッドデザイン大賞はヤマハ『EAD50』

2026年度グッドデザイン大賞(内閣総理大臣賞)には、ヤマハの専用マイク付きドラム拡張モジュール『EAD50』が選ばれた。大賞は、同年度のすべての受賞対象の中で、最も優れたデザインと認められたものに贈られる。

2026年度のグッドデザイン賞は、1484件の受賞対象からグッドデザイン・ベスト100を選出し、さらに大賞1件、金賞19件を決定した。受賞対象を展示する「G展・2026年度グッドデザイン賞受賞展」は、10月31日から東京ミッドタウン(東京都港区)で開催される。

《高木啓》

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