ホンダの人気コンパクトSUV『ヴェゼル』が、2028年にもフルモデルチェンジを迎える可能性が高まっている。ホンダの新世代ハイブリッド戦略を占ううえで、重要な1台になりそうだ。
◆新世代の電動化技術を本格的に採用へ
現行ヴェゼルは2021年4月に発売された2代目で、2024年には大幅な商品改良を実施。さらに2025年にも商品力を強化し、「e:HEV RS」がラインアップに加わった。
次期型にとって大きな節目となるのが2028年だ。ホンダは日本市場において、2028年以降に新型ヴェゼルを皮切りに、次世代ハイブリッドシステムや次世代ADAS(先進運転支援システム)を搭載したモデルを順次投入する方針を明らかにしている。
次期ヴェゼルは、単なるデザイン刷新にとどまらず、ホンダの新世代電動化技術を本格的に採用する初期のモデルになるかもしれない。
ホンダ ヴェゼル 現行◆フロント周りはより薄くワイドに
スクープ班ではこうした技術動向をもとに、次期ヴェゼルの姿を予想CGで制作した。エクステリアは、現行型が持つクーペSUVらしい伸びやかなシルエットを継承しながら、フロント周りをより薄くワイドに見せる方向で進化させた。
ヘッドライトはさらに薄型化し、フロントグリルも低く横方向へ広げることで、現行型よりシャープな表情を演出。フェンダーの張り出しを強調しながらボディサイドのラインを整理し、SUVらしい力強さとすっきりしたデザインを両立させている。
ボディサイズは、現行型の全長4340mm、ホイールベース2610mmに対し、次期型では全長4355mm前後、ホイールベース2640mm程度まで拡大すると予想する。
全長の増加は最小限に抑えつつ、ホイールベースを約30mm延長することで、ヴェゼルらしい取り回しの良さを残しながら、後席の居住性向上を狙う形だ。現行型の使い勝手を支えるセンタータンクレイアウトについても、何らかの形でその考え方が継承されるだろう。
ホンダ ヴェゼル 次期型の予想CG
◆ハイブリッドシステム「Honda Hybrid」を採用
しかし、次期ヴェゼル最大の注目点は、外観よりもパワートレインにある。
ホンダは2026年10月、次世代ハイブリッドシステムの正式名称を「Honda Hybrid」と発表した。これまで「e:HEV」で培ってきた技術をさらに進化させたもので、2027年から世界市場への展開を開始し、2029年度までに15モデルへ投入する計画だ。
小型車向けには、新開発の1.5L直噴アトキンソンサイクルエンジンを用意する。高効率で運転できる領域を拡大するとともに、電動ユニットや制御技術も刷新。燃費性能だけでなく、実用域での応答性や運転のしやすさの向上を狙う。
次期ヴェゼルでも、この1.5Lエンジンを核としたHonda Hybridの採用が有力候補だ。現行eのWLTCモード燃費は、FF車で最高26.0km/L。次世代システムや新プラットフォームによる効率向上が実現すれば、次期型では27~28km/L程度も視野に入ってきそうだ。
ホンダ ヴェゼル 次期型の予想CG◆電動AWDの採用も
さらに注目されるのが、新たな電動AWD(全輪駆動)だ。
ホンダは次世代ハイブリッド向けに、前後の駆動力を電気的に制御する新開発AWDシステムを投入する計画を明らかにしている。従来の機械式AWDに比べて駆動力の制御の自由度を高め、雪道などでの安定性だけでなく、コーナリング時の車両姿勢や旋回性能にも生かす考えだ。
ヴェゼルは現在もFFと4WDを設定しているため、次期型でこの電動AWDが採用されれば、走行性能が大きく変わる可能性がある。
ホンダ ヴェゼル 現行◆Honda S+ Shift にも注目
もうひとつ注目したいのが「Honda S+ Shift」だ。Honda S+ Shiftは、新型『プレリュード』で初採用された技術だ。
変速機を持たないハイブリッドでありながら、エンジン回転数と車速を連動させることで、有段変速機でシフトアップしているような加速感を作り出す。エンジンサウンドも変速感覚に合わせて制御するため、従来のハイブリッドとは異なるスポーティな走りを楽しめるのが特徴だ。
ホンダはHonda S+ Shiftを、プレリュードを皮切りに次世代ハイブリッド搭載車へ順次展開する方針を示している。次期ヴェゼルがHonda Hybridへ移行すれば、同システムが採用される可能性もある。
◆走りの方向性も大きく変わる?
インテリアも大きく刷新されそうだ。大型センターディスプレイやデジタルメーターを最新世代へ進化させるほか、コネクテッド機能や音声操作なども強化されるとみられる。
現時点で、次期ヴェゼルの具体的な価格や正式な発表時期は明らかになっていない。しかし、新世代プラットフォーム、Honda Hybrid、電動AWD、Honda S+ Shiftまで採用されれば、現行型とは走りの方向性も大きく変わることになる。燃費や使い勝手の良さを武器としてきたヴェゼルが、2028年の全面刷新でどこまで「走り」を強化するのか。










