整備工場向けに空調整備事業を行うアプティは、建築用塗料メーカーのアステックペイントと協業し、自動車関連工場の屋根に「遮熱塗料」を施工する新サービスを開始した。
夏場は60度を超える屋根からの熱を遮断し、投資コストや電気代なども抑えつつ空調効率を上げ、快適な労働環境を実現する。
アプティは、初期費用0円でエアコンと高速シートシャッターを設置できるサービス「整備工場快適空間AirCLE(エアクル)」を全国の整備工場向けに提供している。事業を通じ、自動車関連工場に多い金属屋根の輻射熱が空調効率を妨げていることに着目した。
自動車関連工場には金属製の折板屋根などが多用されており、夏場の表面温度は60~80度に達する。屋根の熱は「輻射熱(遠赤外線)」として工場内部へ放射され、室温を上げる要因になっている。
アステックペイントの「遮熱塗料」を屋根に施工することで、温度の上昇を抑制。工場内への熱侵入を大幅にカットする。
一般的な遮熱塗料は、施工後数年で反射率が落ちることが課題だった。アステックペイントの「超低汚染リファインシリーズ」は、無機成分の配合により「緻密で親水性のある塗膜」を形成。雨水が汚れを洗い流す「セルフクリーニング機能」を持っている。
油煙や粉塵の多い自動車工場でも、「施工直後の高い遮熱性能」を長期間維持できることが大きな特長だ。
遮熱塗装によって低減された熱負荷(冷房が必要な熱量)をアプティが精密に計算。その数値に基づき、空調設計の最適化や気流制御の見直しを行う。
空調機の台数削減、機器のサイズダウン、無駄なエネルギー消費の徹底排除など、設備投資(イニシャルコスト)も電気代(ランニングコスト)も抑えることが可能になる。
アプティとアステックペイントは、自動車整備工場を中心に本サービスを展開していく予定だ。ハード(塗料)とソフト(空調技術)を融合させた新たな省エネモデルを確立し、自動車産業における電力効率化・脱炭素化に貢献していく。




