愛三工業、車載モーター用カーボン部品世界首位のトライスを完全子会社化

愛三工業のロゴ
  • 愛三工業のロゴ

愛三工業は11月17日、車載用モーター電刷子等のカーボン部品で世界No.1シェアを持つトライスの全株式を取得し、完全子会社化すると発表した。

愛三工業は2025年2月に公表した中期経営計画で、エンジン領域を最後まで支えながら電動化への挑戦を続ける両輪戦略を打ち出している。パワートレイン事業では「エンジン領域を最後まで支えるグローバルNo.1メーカーを目指す」方針を掲げ、既存の内燃機関向け製品における世界トップクラスの技術力と供給体制を維持しつつ、M&A・アライアンスの活用により事業領域を拡大する計画だ。

トライスグループは、車両の重要な機能をつかさどる車載用モーターに使用される電刷子等のカーボン部品の世界No.1メーカーだ。同社の材料開発、生産技術、品質管理に基づく製品は、メガサプライヤーをはじめ世界のあらゆる車載用モーターメーカーに採用され、世界トップシェアを有している。

愛三工業は、トライスグループを迎えることで、多くのシナジー効果を見込む。

パワートレイン事業では、トライスグループの世界トップ技術を燃料ポンプ等の部品に活用し、耐久性、効率向上を図ることで商品力を一層強化する。また、ゼロCO2・ゼロエミッションの実現に向け、カーボンニュートラル燃料に対応可能な製品ラインナップの拡充にも取り組み、さらなるシェア拡大を図る。

電動化製品事業などの将来に向けた開発では、トライスグループの強みである金属、樹脂、カーボン等の粉体を造粒・配合・熱処理、成形等の高精度なコア技術を活用し、電動化製品の要素技術開発、半導体等の高精密部品の要素技術開発に取り組んでいる。この強みが、愛三工業が取り組んでいる電動機能部品の性能向上、競争力向上に貢献するとともに、両社の要素技術開発を融合させることで、より競争力の高い世界No.1の素材開発と応用技術開発を推進する。

リードタイム短縮とイノベーション促進では、原材料分野であるトライスグループの要素開発、材料開発を、開発の早い段階から愛三工業の機能部品に組み入れて評価することで、顧客ニーズを的確に反映した材料開発や要素開発ができ、シナジーの相乗効果が図れ、開発スピードの向上や新たなイノベーションの創出が実現できると考えている。

本件は、愛三工業の中期経営計画で掲げた成長戦略を具体化する重要な一手であり、技術力強化・商品競争力向上、新たなイノベーションの創出に寄与し、持続的企業価値向上を目指す、としている。

《森脇稔》

【注目の記事】[PR]

編集部おすすめのニュース

教えて!はじめてEV

特集