ポルシェ、電動化の遅れで電池生産計画を見直し…子会社「セルフォース」でのバッテリー量産を断念

ポルシェ子会社「セルフォース」のバッテリー
  • ポルシェ子会社「セルフォース」のバッテリー

ポルシェは、バッテリー事業の再編を発表した。電動化の立ち上がりが予想より遅く、中国と米国での市場環境が変化したことを受け、子会社のセルフォース・グループは高性能バッテリーの量産計画を断念し、今後は研究開発に専念する。

オリバー・ブルーメCEOは「ポルシェは電動化への転換で最も成功している自動車メーカーの一つだ。2025年上半期、欧州で納車した車両の57%が電動化されており、世界全体の電動化率36%を大きく上回っている」と述べた。一方で「米国や中国の高級電動車市場の発展が遅れているため、バッテリー事業を再編し、セルとシステム開発に集中する」と説明した。

セルフォース・グループは2022年にキルヒェンテリンスフルトに工場を建設し、当初は約1GWhの生産能力でスタートし、その後第2拠点で規模を拡大する計画だった。しかし世界的な需要の伸び悩みにより、独自生産を計画されたコストポジションまで拡大することは不可能と判断された。


《森脇稔》

特集