スズキは5月12日、2025年3月期連結決算を発表した。為替影響や販売台数の増加、台当たり収益の改善により、売上収益は5兆8252億円、営業利益は6429億円といずれも過去最高を更新した。
◆収益8.7%増、営利は30.2%増
売上収益は5兆8251億6100万円(対前期比8.7%増)、販売台数の増加、価格改定および為替影響により増収となった。営業利益は6428億5100万円(30.2%増)、研究開発費や労務費など固定費の増加を、増収効果と原価低減でカバーし、大幅な増益を達成した。
税引前利益は7302億2000万円(23.4%増)、当期利益は5297億1700万円(26.3%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益は4160億5000万円(31.2%増)だった。
次期予想は、売上収益6兆1000億円、営業利益5000億円を見込む。鈴木俊宏代表取締役社長は「中期経営計画の最終年度2030年度に向けて、今よりももっと競争力を高めていくことが必要だと考える」と述べた。配当は1株当たり45円とし、2025年3月期から4円増配を予定する。

◆日本で軽シェア1位、インドは輸出拡大
四輪事業の売上収益は5兆3052億円(対前期比8.9%増)、営業利益は5676億円(33.9%増)となった。四輪車の販売台数は日本、パキスタン、中近東などで伸長し、グローバル合計で324万台(2.3%増)を達成した。
日本における軽自動車販売台数は58万5000台で2年連続首位となり、スズキの市場シェアは35.9%を確保した。登録車販売も13万3000台の過去最高を記録し、軽自動車と登録車合計でシェア2位となった。4月3日にはジムニーシリーズ初の5ドアモデル『ジムニーノマド』を発売し、販売計画を大幅に上回る受注を受けて一時受付を停止している。岡島有孝取締役専務役員は「早期に受注を再開できるよう、全社を挙げて取り組んでいく」と述べた。
インドでは卸販売台数が179万5000台(前期並み)となり、輸出台数は5万台増の33万3000台となった。欧州ではスイフトが堅調だった一方、『イグニス』と『ジムニー』の販売終了に伴い全体台数は減少したが、2025年夏から初のバッテリーEV『e VITARA』をインド、欧州、日本など世界各地で順次発売する予定である。