トヨタ自動車の2024年度決算は増収減益…2025年度は北米で大幅減益の見通し

トヨタ・クラウン・エステート
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  • 連結決算要約
  • 日本市場ベストセラー:トヨタ・ヤリス
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  • 連結販売台数
  • レクサスGX(北米向け)
  • トヨタ4ランナー(北米向け)
  • 所在地別営業利益

トヨタ自動車は5月8日、2025年3月期(2024年度、2024年4月1日~25年3月31日))の連結決算を発表した。2025年3月期は増収減益。さらに26年3月期も増収減益見通しで、特に当期利益は35%マイナスの見通しとなっている。


2025年3月期の営業収益は48兆367億400万円(前期比6.5%増)と増収となったものの、営業利益は4兆7955億8600万円(同10.4%減)、税引前利益は6兆4145億円(同7.9%減)、親会社の所有者に帰属する当期利益は4兆7650億8600万円(同3.6%減)と減益となった。

●業績の状況

当連結会計年度における自動車の連結販売台数は、日本、海外を合わせて936万2000台と、前連結会計年度に比べて8万台(0.9%)の減少となった。日本での販売台数は199万1000台(前年比0.1%減)、海外においても737万2000台(同1.0%減)と減少した。電動車は、前期から85万台増となったHEVがけん引し、トヨタ・レクサス販売台数の46.2%まで伸長した。

営業利益の主な増減要因としては、営業面の努力による1450億円の増益効果や為替変動による5900億円の増益効果があったものの、諸経費の増加による9900億円の減益影響や、その他の要因による3023億円の減益影響が大きく響いた。

●市場の状況

所在地別では、日本は営業収益が21兆8590億円(前年比4.0%増)となったが、営業利益は3兆1511億円(同9.6%減)と減益となった。これは諸経費の増加および日野自動車による認証不正問題の影響によるものだ。

北米市場では、営業収益は19兆3003億円(前年比7.6%増)と増収となったものの、営業利益は1088億円と前年から3975億円(78.5%)減少する大幅な減益となった。これは主に諸経費の増加によるものである。

いっぽう、アジア地域では営業収益8兆9880億円(前年比2.9%増)、営業利益8965億円(同3.6%増)と増収増益を達成した。為替変動の影響および諸経費の削減努力が寄与している。中国事業の営業利益、および持分法(もちぶんほう)による投資損益は、販売費の増加などにより減益となった。

佐藤恒治取締役社長は決算発表会見において、2025年3月期について「トヨタ自動車は、『もっといいクルマをつくろうよ』という軸をぶらさず、『町いちばんの会社』をめざし、フルラインアップの商品とグローバルな事業基盤を構築してきた。当期も、安全・品質の徹底をはじめとする『足場固め』に取り組みながら、世界各地の地域に合わせた『いいクルマ』を顧客に届ける努力をしてきた」と総括している。


《高木啓》

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