デンソーテン(旧 富士通テン)は、カメラで撮影した顔画像から人の内面状態を推定するAI技術を開発したと発表した。この技術により、ヒヤリハットや居眠りの予兆といった運転者の状態を非接触で検知することが可能となる。
新技術は、脳波や心拍などの生体情報から分かる「ヒヤリとする」「ハッとする」「頭がぼんやりする」といった内面状態と、顔のパーツの位置や形を表す特徴量との関係をAIモデルとして生成する。このモデルを用いて、カメラで取得した顔画像から特徴量を抽出し照合することで、人の内面推定を実現している。
従来、デンソーテンは脳波センサーや心拍センサーを用いた接触型の感情推定技術を開発してきた。しかし、車載化を想定した場合、接触型センサーでは導入のハードルが高くなるため、今回の非接触型技術の開発に着手した。
この技術は、3月5日から7日まで学校法人芝浦工業大学で開催されている「情報処理学会 第212回ヒューマンコンピュータインタラクション研究会」にて発表された。
デンソーテングループは、企業ビジョン「VISION2030」の実現に向けて、「クルマの価値向上」や「生活の価値向上」への取り組みを具体化していく方針だ。「環境にやさしいモビリティ社会」「安心・安全なモビリティ社会」の実現に貢献することを目指している。