商船三井さんふらわあ新造フェリーの船体デザインが決定、首都圏-北海道航路に就航へ

大洗~苫小牧航路・新造LNGフェリーの船体デザイン
  • 大洗~苫小牧航路・新造LNGフェリーの船体デザイン
  • 既存船「さんふらわあ だいせつ」、および「さんふらわあ しれとこ」と、新造船との比較
  • LNGフェリー:さんふらわあくれない
  • LNGフェリー:さんふらわあむらさき

商船三井グループの商船三井さんふらわあが運航する大洗~苫小牧航路(北海道航路)の新造LNG燃料フェリー2隻の船体デザインが決定、1月22日に発表された。本船は2025年の就航をめざして建造が進められており、2024年4月に第一船の進水式を予定している。

新造船は、海と空の美しい「青」をアクセントカラーに採用し、「夜明けの海」と「新しい時代を照らす光」をイメージしたデザインで、「新たな未来へ歩みだす船」として表現されている。

既存船に比べてトラックの積載スペースを拡張し、全室個室化された客室を提供することで、トラックドライバーに快適な空間を提供するという。これにより、モーダルシフトの促進と「2024年問題」の解決にも努める方針だ。

新造船はLNG燃料の使用など最新技術の採用により、北海道航路の既存船に比べてCO2排出量を約35%削減したという。これにより、サプライチェーン全体の環境負荷軽減に寄与すると期待される。商船三井さんふらわあは2023年に日本初のLNG燃料フェリー「さんふらわあ くれない」「さんふらわあ むらさき」の就航を開始し、2025年までには4隻の運航を予定している。また、LNGに代わる新燃料の採用も視野に入れ、業界をリードする姿勢を見せている。

新造船の特長は「LNG燃料を使用」「最新鋭の技術を搭載」「モーダルシフト対応」の3点をあげられる。

LNG燃料は、従来の燃料油に比べて、二酸化炭素(CO2)では約25%、硫黄酸化物(SOx)では100%の排出削減効果が見込め、環境負荷を大幅に下げる。新造船に採用された最新技術としては、燃料消費量を抑えるべく、船首が丸みをおびた流線形の形状で、斜め向かい風を推進力として利用できる「ISHIN船型」がある。また、推進効率を高めた高性能のエンジンを搭載した。モーダルシフトに対応した特徴としてはドライバー向け船室の全室個室化だ。今後モーダルシフトの加速により有人トラックの乗船増が見込まれることから、トラックドライバーが快適に過ごせるよう、従来船の大部屋を廃止する。

商船三井グループは「商船三井グループ 環境ビジョン2.1」において、2050年までにグループ全体でのネットゼロ・エミッション達成を掲げた。国内外でのLNG燃料供給体制の整備推進を通してLNG燃料の普及を進めるとともに、クリーン代替燃料の導入戦略として2030年までにLNG燃料船を約90隻投入する予定だ。

《レスポンス編集部》

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