バネメーカー大手の中央発条の藤岡工場(愛知県豊田市)内で発生した爆発事故から半月が経過。取引先のトヨタ自動車の完成車工場が、国内で延べ10日間にわたって8工場13ラインで稼働停止に追い込まれるなどの影響が広がった。
その爆発事故の原因について、中央発条によると、10月16日昼過ぎに自動車の足回りに使用する「シャシばね」の製造ラインで、ばねを乾かす「乾燥炉」で発生。乾燥炉へ送り込む熱をつくる「燃焼室」が高温となる異常があり、燃焼室のバーナーへ供給する空気の量を調整していたところ火が強まり、そこで発生した不燃ガスが乾燥炉に届いてガスへ引火したという。
きょうの日経なども詳しく報じているが、燃焼室が高温となったのは、乾燥炉との間のダクトのフィルターが目詰まりしていたためで、フィルターは6月の点検時には異常はなかったが、9月に実施した近くの設備の撤去工事により粉じんがたまったとみられる。
また、設備の老朽化も事故の一因で、バーナーへ供給する空気の量を一時抑えたところ燃焼室からガスが発生し、乾燥炉内に流入して滞留したそうだ。事故のあった乾燥炉は古くガスがたまりやすい構造で、再発防止のため、全装置にガスの滞留を検出する機器を設置するとも伝えている。
一方、2024年3月期の連結業績予想については、4月時点では売上高970億円(前期比4.6%増)、最終利益2億円(同58.5%減)と見込んでいたが、現時点では「未定」にすると発表。予想は修正し、24年1月末までに公表するという。爆発事故の影響で、「合理的に見積もるのが困難」としている。
2023年10月31日付
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