日産のEV『アリア』、北極から南極までの走破に挑む…2万7000km

大きな変更点はサスペンションの調整と39インチタイヤの採用

ルーフからドローンを飛ばして撮影も

新しい4輪制御技術の「e-4ORCE」

日産 アリア の北極~南極探検車
  • 日産 アリア の北極~南極探検車
  • 日産 アリア の北極~南極探検車
  • 日産 アリア の北極~南極探検車
  • 日産 アリア の北極~南極探検車
  • 日産 アリア の北極~南極探検車
  • 日産 アリア の北極~南極探検車
  • 日産 アリア の北極~南極探検車
  • 日産 アリア の北極~南極探検車

日産自動車の欧州部門は2月1日、EV『アリア』(Nissan Ariya)が、北極から南極までの約2万7000kmの走破に挑戦すると発表した。

◆大きな変更点はサスペンションの調整と39インチタイヤの採用

日産 アリア の北極~南極探検車日産 アリア の北極~南極探検車

「Pole to Pole」探検チームは、3月にスタートするこのチャレンジにおいて、氷原や深い雪、急勾配の山や砂漠の砂丘など、過酷な地形や環境の中を旅していく。極地探検車のスペシャリスト、アークティック・トラックス社は、日産のデザイン&エンジニアリング・チームと協力し、これらの厳しい環境に対応できるようにアリアに変更を施した。

変更は最小限に抑えられた。バッテリーやパワートレインは市販車の状態とした。最も大きな変更点は、サスペンションの調整と39インチタイヤの採用だ。ホイールアーチを広げることで、安定したプラットフォームと39インチのBFグッドリッチタイヤを組み込むことを可能にした。

これらを、日産の電動四輪制御技術「e-4ORCE」と組み合わせる。これにより、探検車は極限の地形に挑み、南極点への到達に必要な快適性とコントロール性を手に入れているという。

◆ルーフからドローンを飛ばして撮影も

今回の冒険のリーダー、クリス・ラムゼイ氏は、「今回の冒険が目指すことのひとつに、車両の本当の実力、日常的な能力を明確に示すということがある。標準的な市販EVを使用し、最小限の変更でどんな場所も走る。ドライブトレインとバッテリーは工場出荷状態の市販車のアリアを使用し、この車両がいかに高性能で多用途であるかを示したい」と話す。

大のコーヒー好きのクリス・ラムゼイ氏は、アリアに特別に組み込まれたエスプレッソマシンによって、長時間の旅の途中で、サステナブルコーヒーをいつでも楽しむことができるようにした。そして、屋根の上のユーティリティユニットから、直接飛ばすことができるドローンを使って、壮大な環境の美しさを撮影することも可能にしている。

また、今回の冒険では、再生可能エネルギーを活用するポータブルユニットを、極地でのアリアの充電に使用する。牽引可能なこのプロトタイプには、軽量の風力発電機とソーラーパネルが搭載されており、強風と長い日照時間を利用して、ドライバーが休憩している間に、アリアのバッテリーに充電を行う。

◆新しい4輪制御技術の「e-4ORCE」

アリアに搭載される新開発の電動パワートレインには、ニーズに合わせて2種類のバッテリーサイズと2種類の駆動方式をラインナップしている。バッテリーサイズは、蓄電容量が65kWhと90kWhの2種類が用意される。このうち、65kWhバッテリー搭載モデルは、通勤や買い物などの日常的な使い方だけでなく、週末のドライブにも充分な航続を備える。また、90kWhバッテリー搭載モデルはアリア最長の航続を備え、ロングドライブを楽しみたい顧客向けだという。

アリアの駆動方式には、2WDと新しい4輪制御技術のe-4ORCEを採用した4WDを設定する。e-4ORCEでは、前後に合計2基の電気モーターを搭載しており、それぞれのトルクを個別にコントロールすることができる。加速時のトラクション性能をはじめ、減速時には前後モーターそれぞれで回生量を調整し、ブレーキ時の車両の沈み込みを減少させるなど、車体の揺れを抑える制御を行う。

また、コーナリング時は、前後のトルク配分を適切に調整するとともに、4輪のブレーキを個別に制御する。これらの制御によって、雨天や雪道などさまざまな道路環境下においても、安全性を追求している。

《森脇稔》

【注目の記事】[PR]

編集部おすすめのニュース

特集