CASE車両の仮想化セキュリティソリューションをパナソニックが実証実験…オートモーティブワールド2023

仮想化プラットフォームを実装した次世代コックピットの例
  • 仮想化プラットフォームを実装した次世代コックピットの例
  • 仮想化プラットフォームにより、さまざまな機能を載せることができる
  • VERZEUSの概念。車載用のセキュリティモジュールやソリューションをプラグインとして追加することができる
  • 車載用セキュリティコンポーネント:VicOneのソリューション
  • 車載ECU向けのセキュリティソフト:xCarbon
  • VicOneのクラウドダッシュボード。同社のソリューションはクラウドで管理される
  • 脅威の相関や攻撃の経路をたどることができる

2022年の道路運送車両法改正により、型式指定にはセキュリティ対策の標準であるCSMS(UN-R155)およびSUMS(UN-R156)認証が必要になった。だが、「基準を満たしていれば安全」とは言い切れないのがサイバーセキュリティだ。

オートモーティブワールド2023においてパナソニックオートモーティブが仮想化技術を自動車セキュリティに応用する実証実験の展示を行っていた。ディスクリート回路による制御からマイコン制御へと進化していったECUおよび車載コンピュータが、ドメインコントローラ、ゾーンコントローラ、統合ECUに進化しようとしている。SDVでは、ソフトウェア環境もアセンブラやC言語による制御プログラムから、リアルタイムOS環境、ビークルOS環境が求められている。クラウド連携サービスやAI活用には、このようなソフトウェアのレイヤ構造は不可欠となる。

そこでも重要なのはセキュリティ機能だ。汎用コンピュータから進化したPCやスマホは似たようなアーキテクチャを持ち、セキュリティの考え方も共通する部分がある。しかし、独自の進化を遂げた車載コンピュータは、制御ソフトの階層化がそれほど進んでいない。エンジン制御などリアルタイム要件(最長遅延時間の保証)を満たすため、ダイレクトなハードウェア制御が必要という理由がある。


《中尾真二》

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