国土交通省は、路線バス事業を維持するため、複数年にわたる支援を可能にする「エリア一括協定運行事業」を創設する。2023年度予算の概査要求で認められなかったが、財務大臣と国土交通大臣の折衝の結果、要求通り認められた。
路線バス事業については、主に民間交通事業者が主体に運行し、行政が運行サービスでの赤字を補填することで、維持を図ってきた。地域における路線維持に効果がある一方で、多くの交通事業者が厳しい経営状況にあり、事業改善インセンティブの課題や、利用者減少局面における赤字拡大など、持続可能性の面から懸念があった。
このため、国土交通省は、持続可能性と利便性、効率性の高い地域公共交通ネットワークに再構築するとともに、交通事業者のインセンティブも引き出す「従来とは異なる実効性ある支援」を実施する。具体的には、複数年にわたる長期安定的な支援を可能とするエリア一括協定運行事業を創設する。
2023年度予算での概算要求していたが一旦、認められなかった。今回大臣折衝の結果、要求通り認められることになった。
エリア一括協定運行事業では、自治体と交通事業者が協定を締結し、一定エリアについて一括して運行する事業に対する補助制度。自治体と交通事業者との間で運賃、路線、運行回数、自治体の費用負担、官民の役割分担を内容とした協定を締結する。
自治体は、事業者に対して運行に対する「交通サービス購入費用」としての対価を支払い、事業者は協定に基づき複数年にわたって運行する。国が事業初年度に事業期間全体の支援額を明示し、期間を通じて予算面で支援する。