JR四国・本四備讃線の収支が国の補助で改善、全線区では依然赤字 2021年度収支

本州の岡山県と四国の香川県を結んでいる瀬戸大橋こと本四連絡橋の鉄道部分。この更新費用は国から補助されており、本四備讃線の収支改善につながった。
  • 本州の岡山県と四国の香川県を結んでいる瀬戸大橋こと本四連絡橋の鉄道部分。この更新費用は国から補助されており、本四備讃線の収支改善につながった。
  • 2021年度のJR四国収支。2020年度と比べて全体の赤字額は200億を下回るようになったが、2019年度比では相当の開きがある。
  • JR四国予土線。2021年度も営業係数はワースト1に。

JR四国は11月8日、2021年度の線区別収支と営業係数を公表した。

2021年度は、コロナ禍が始まった2020年度より営業収益が一部回復した結果、営業損失(赤字)は26億4100万円減少したが、コロナ禍前の2019年度との比較では67億8600万円増加。結果的に2021年度も全線区で赤字が続く状態となっている。

2021年度のJR四国収支。2020年度と比べて全体の赤字額は200億を下回るようになったが、2019年度比では相当の開きがある。2021年度のJR四国収支。2020年度と比べて全体の赤字額は200億を下回るようになったが、2019年度比では相当の開きがある。

このうち児島~宇多津間の本四備讃線では、瀬戸大橋こと本四連絡橋の鉄道部が国からの更新費用補助により営業費用が減少したため、赤字は2020年度比で11億200万円減少した。100円の収入を得るために要する費用を意味する営業係数も207から125に改善され、2019年度の数字に近づいている。

また、JR四国で営業係数が最も大きい北宇和島~若井間の予土線では、道路との立体交差化や踏切拡幅の工事において、JR四国の線路や踏切設備といった固定資産を移転、撤去、補修する際に、委託相手から受け入れた資金でJR四国が工事を行なう補償金工事の影響で、2020年度より赤字が3400万円減少したものの、営業収益の規模が5500万円と小さいことから、営業係数は1401から1761に悪化し、依然、JR四国でワーストの状態が続いている。

JR四国予土線。2021年度も営業係数はワースト1に。JR四国予土線。2021年度も営業係数はワースト1に。
《佐藤正樹(キハユニ工房)》

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