スズキの中間決算は増収増益、鈴木社長「単純な値上げはできない」[新聞ウォッチ]

インドで販売されるスズキ・グランドビターラ
  • インドで販売されるスズキ・グランドビターラ
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「依然として増産対応ができず、日本での受注残は21万台、インドでは40万台を超える。1台でも多く作り需要に応えたい」。スズキの鈴木俊宏社長は、2022年度上半期(4~9月)の決算会見で、半導体不足などの影響について、こう打ち明けた。

同社が発表した22年9月中間決算は、売上高が前年同期比32.5%増の2兆2175億円で過去最高となり、純利益も14.5%増の1151億円と増収増益の好決算だった。

23年3月期の見通しについても売上高は、従来予想から6000億円引き上げて26%増の4兆5000億円を見込むほか、純利益も従来予想(16%減の1350億円)から18%増の1900億円と一転増益となるという。

きょうの日経も投資情報面のトップ記事で「スズキ、純利益18%増、今期一転増益、インド販売が回復」との見出しで取り上げているが、「円安の追い風とともに、主力のインドで四輪車販売が回復し、原材料高の影響を吸収する」とも伝えている。

◆車の装備について考えてほしい

また、決算発表の席上、鈴木社長は原材料の高騰に伴う値上げラッシュについて「値上げをしたいという思いはあるが、我々の購買層の皆さんの懐具合を考えると単純には値上げできない」と述べた。

さらに、「ユーザーの皆さんも自分のクルマの装備について考えて頂きたい。何でも付いているということが、本当に必要なのか。使わないけどあった方がいいのか。それとも無くてもいいのか」。

長引く半導体不足に加えて、輸入に頼る原材料・部品の高騰は、円安でホクホクなはずの日本の自動車メーカーにとっては頭の痛い問題。食料品などのように値上げに踏み切れば、消費者の購買意欲がそがれ、クルマ離れが一段と加速することは想像に難くない。この際、無駄な装備を外して、価格を抑制するような「発想の転換」も大切だろう。「庶民の足」をユーザー目線で考えるところは、“中小企業のオヤジ”を自認する親譲りなのか。

2022年11月9日付

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《福田俊之》

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