愛知高速交通に100形09編成が復帰…愛知万博後に消えたHSST車両 10月13日

愛知高速交通東部丘陵線を走る100形。「09編成」は前面に「09」の文字が入る。
  • 愛知高速交通東部丘陵線を走る100形。「09編成」は前面に「09」の文字が入る。

藤が丘駅(名古屋市名東区)と八草(やくさ)駅(愛知県豊田市)を結ぶ東部丘陵線(リニモ)を運営する愛知高速交通は、「09編成」と呼ばれる開業当初の車両を10月13日から運行すると発表した。

リニモは、「2005年日本国際博覧会」(愛知万博)の開催を機に2005年3月に開業したリニアモーターカーによる常電導吸引型磁気浮上式軌道で、システム上はHSST(High Speed Surface Transport)と呼ばれている。

開業当初は100形3両編成9本が登場したが、このうち、9本目の09編成は万博輸送増強用に製造された2005年日本国際博覧会協会所有の車両で、愛知万博終了後の2006年に伊藤忠商事へ売却。さらに2007年には三菱重工業(三菱)が三原製作所(広島県三原市)に計画していたのHSST実験線用車両として供出され、後に三菱へ売却されていた。

そのため、リニモの車両としては幻的な存在だったが、2018年には三菱との間で譲渡が合意され、2019年に里帰り。その後、整備が続けられ、2022年に入り試運転が開始されていた。

今回の復帰は、11月1日に愛・地球博記念公園駅(愛知県長久手市)に、アニメ「千と千尋の神隠し」などで知られれるスタジオジプリの世界を表現する「ジブリパーク」が開園し、利用客の増加が見込まれることによるもので、初日は愛・地球博記念公園9時40分発藤が丘行きから運用に入る予定(以後は他の編成との混運用となる)。

《佐藤正樹(キハユニ工房)》

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