南インドより、ナマスカーラ!
ベンガルール通信は今月から “レスポンス・ビジネス” に掲載されるとの由、より幅広い方々が “今のインド” に関心を寄せるきっかけになれば、と期待しております。一国としては圧倒的な市場規模があることのみでも挑戦する理由は十分、今から検討を始めて事業化する頃には中国を抜いて世界一になっている。世界地図を広げて数か国を選んで、それぞれ参入機会やら進出形態やらを探るくらいなら、“今のインド” に網掛けするのがよっぽど効率的だ。
日本政府が旗を振る脱中国・サプライチェーン強靭化策や、インド政府が業種別に進める国産化振興策・PLIスキーム (生産実績連動型インセンティブ制度) も含めて冷静に世界情勢を見渡せば、殊に日本の製造業にとって今のインドに挑戦する意義は大きい。
日本国内や馴染みのある周辺国市場で新規事業を考える際、“やっぱりやめておいた方が良いか” となる理由は無限に見つかる。ニッチ過ぎる新規セグメントを狙うが故に十分な事業性が見込めなかったり、既存の商流や取引先に配慮して活動範囲を狭めたり、せっかくのアイディアが各種の規制に抵触する虞を拭い切れなかったり、実証実験・PoCをリードできる環境・人材・資源が不足していたり、等々。
他方で、およそ14億の人口に対して未だ物量的にも品質的にも “飢えている” 状態にある当地においては、どのような業界にもあらゆる機会と可能性が開かれている。次世代のグローバル市場を目指した新規事業や研究開発、人材育成を企図するなら、早い内に今のインドを経験・体得しておくべきだ。ある日突然、取引先や競合や上司や部下として、“インドで鍛えられたグローバル人材” が目前に現れたとしても何の不思議もない。