建設事業など工事の過程において、工事が契約書どおり実施されているかを確認するため、発注者は現場に出向き、受注者とともに検査や立会を実施する(=臨場)。NEXCO中日本では、これをリモートで行なう遠隔臨場の導入を進めてきた。
NEXCO中日本は、工事・維持修繕作業の施工現場での「材料確認」や「現地立会」などの作業を、遠隔で実施するための「遠隔臨場実施要領」を制定し、土木・施設工事などに原則適用することにした。NEXCO中日本が25日、発表した。
遠隔臨場では、現場の受注者がウェアラブルカメラなどを用いて現場の状況を動画撮影しリアルタイムに送信、いっぽう発注者は現場から離れた事務所で映像を確認し、施工現場を検査する。これにより、受注者の待ち時間の削減や、発注者の移動時間の削減など、工事管理業務の効率化が図られる。
労働生産人口は今後、少子高齢化に伴って減少し、工事や工事管理などに係る人員の不足が予想される。発注者が現場に出向くような現行の労働集約型な業務では、適切な施工管理ができなくなり、事業の安全かつ円滑な進捗に影響をおよぼす恐れがある。
その対策として施工管理の省力化を目的に、NEXCO中日本では、ウェアラブルカメラなどのICTを用いた遠隔臨場の導入を試行してきた。試行結果から遠隔臨場は、受注者・発注者双方に労働時間の削減効果があり、省力化が確認された。そこで今後の積極的な活用に向け、「検査などの適用の範囲」や「使用する機器や留意事項」などを要領として制定した。