三菱自加藤社長「満足のいくものになってきた」…2022年3月期決算

三菱エクリプスクロス (米国仕様)
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  • 2022年度業績見通し
  • 2022年度販売台数見通し
  • 現中計の総仕上げ

三菱自動車が5月10日に発表した2022年3月期連結決算は、ASEANや北米など主力とする市場での販売が好調だったことに加えて為替が円安で推移したことも寄与して、本業の儲けを示す営業利益が873億円と2期ぶりに黒字に転換した。

売上高は前期比40.1%増の2兆389億円。グローバル販売台数は同17.0%増の93万7000台で、このうちASEANは同32.3%増の25万台、北米は同38.0%増の15万6000台と大きく伸ばした。日本は、半導体不足やエアバッグの不具合が見つかった軽の主力モデルが一時生産停止となった影響もあって、同2.7%増の7万5000台と小幅増にとどまった。

三菱自動車の加藤隆雄社長は同日、オンラインを通じて行った決算説明会で「満足のいくものになってきた」とした上で、「ただ数字そのものよりも我々がやるべきこととして目指してきた構造改革、固定費をきちんと削減すること。それから売上高の向上については販売価格を適正なものに上げていくといった活動。無駄な販売コストを下げること。数字以上に、そうした施策がほぼ今のところはうまくいっているのかなという評価を内部ではしている」と述べた。

2023年3月期は売上高で前期比12.3%増の2兆2900億円と予想。グローバル販売台数計画は部品不足や物流網の混乱などの影響が長引くと想定し、同0.1%増の93万8000台とほぼ横ばいとなる。ただ高単価のモデルの販売比率が高まることで引き続き2ケタの増収となる見通し。

また前期に微増にとどまった日本の販売台数は、近く発売する軽の新型電気自動車(EV)の上乗せや、前期のような生産一時停止の影響もなくなることで同34.7%増の10万1000台を計画している。

営業利益は同3.1%増の900億円と見込んでいる。高単価モデルの販売台数増に加えて、前期よりもさらに円安が進んでいることも利益を押し上げる。ただ原材料費や物流費用の上昇、さらには研究開発投資も膨らむため、利益の改善幅は前期に比べると小幅にとどまる。

加藤社長は今期の見通しについて「2022年度は現中計の総仕上げの年と捉え、見えてきた課題にしっかりと取り組み、収益力改革を推進することで計画を達成し、次のフェーズである地域・商品戦略の具現化に向かいたいと考えている」と述べていた。


《小松哲也》

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