トヨタ、ロシアでの生産・輸出を停止---国内の全工場は稼働再開[新聞ウォッチ]

ロシアによる空爆で破壊された、ウクライナ、ヴァスィリキーウ市内の建物(3月2日)
  • ロシアによる空爆で破壊された、ウクライナ、ヴァスィリキーウ市内の建物(3月2日)
  • ロシアの侵攻から地下鉄構内に避難するキエフ市民。猫の名前はガーフィールド、犬はヨーダ(3月2日)

ロシアによるウクライナ侵攻が開始してから1週間になるが、その影響が世界の自動車メーカーにも広がっているという。

トヨタ自動車は系列部品会社がサイバー攻撃を受け、停止していた国内全工場での稼働を再開したものの、ロシア西部サンクトペテルブルク工場での自動車生産を3月4日から一時停止、ロシア市場向けの輸出も停止すると発表した。

きょうの各紙にも「トヨタ、ロシア生産停止へ」などと取り上げているが、サプライチェーン(供給網)が混乱し、部品の調達が滞っているためで、生産継続が困難と判断したという。トヨタは2007年からロシアでの現地生産を開始。昨年には約8万台を生産していたとしている。

また、ホンダはロシアに生産拠点を持たないが、ロシア向けの自動車は米国から『CR-V』を輸出。バイクは日本やタイ、ベトナム、米国から輸出しているが、経済制裁による決済への悪影響や物流の混乱といったリスクを考慮し、停止を決めたという。ただ、ホンダのロシアでの販売台数は年間約1500台程度とみられる。

トヨタやホンダ以外にも、 ロシア東部ウラジオストクに現地メーカーとの合弁工場があるマツダでも、ロシア向けの自動車部品の輸出を近く停止するほか、三菱自動車もモスクワ近郊の合弁工場で生産停止を視野に入れているとも報じている。

さらに、独フォルクスワーゲン(VW)や独BMWもウクライナからの部品供給不足でドイツ国内の工場稼働を一部停止するとの報道も伝えられており、激化するウクライナ侵攻が、自動車各社のロシア事業にも影響が及んでいる。

2022年3月3日付

●ウクライナ、露、非軍事施設を砲撃、民間人2000人死亡(読売・1面)

●トヨタ、露工場停止へ、ホンダは輸出禁止(読売・11面)

●VW、BMW独工場一部停止(読売・11面)

●原油先物11年ぶり高値、ガソリン補助金25円へ(朝日・1面)

●社説、トヨタの全工場停止、サイバー防御の徹底急務(毎日・5面)

●エコ航空燃料国産化へ、業界横断の団体設立(産経・11面)

●トヨタ全工場運転再開、サイバー攻撃脅迫文は英語(東京・22面)

●まん延防止延長14都道府県要請、政府、週内判断へ(日経・3面)

●ANA、欧州全便欠航、きょう、あす以降は別ルート検討(日経・15面)

●ホンダ・マツダ対ロ輸出停止、現地通貨安・物流分断で(日経・15面)

●リニア工事、コンクリ落下、愛知のトンネル、1人けが(日経・46面)

《福田俊之》

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