新連載[スピーカー 次の一手]調整機能を得る…メインユニットを刷新

市販スピーカーの取り付け例(製作ショップ:サウンドクオリティー<千葉県>)。
  • 市販スピーカーの取り付け例(製作ショップ:サウンドクオリティー<千葉県>)。
  • 市販スピーカーの取り付け例(製作ショップ:サウンドクオリティー<千葉県>)。
  • 高度なチューニング機能を持つAV一体型ナビの一例(三菱電機・ダイヤトーンサウンドナビ)。
  • 高度なチューニング機能を持つAV一体型ナビの一例(カロッツェリア・サイバーナビ)。
  • 高度なチューニング機能を持つAV一体型ナビの一例(カロッツェリア・サイバーナビ)。
  • 高度なチューニング機能を持つAV一体型ナビの一例(カロッツェリア・サイバーナビ)。

サウンドシステムのバージョンアップの最初の一歩として、「スピーカー交換」を実行済みのドライバーは少なくない。当特集は、そういった方々に向けてお贈りしている。交換したスピーカーの性能をさらに引き出すためのノウハウを、1つ1つ紹介している。

メインユニットが交換可能なら、それを高性能なモデルに換えると…。

今回は、「メインユニット交換」について解説していく。スピーカーを交換してあるのなら続いては、高性能なメインユニットへの交換を実行すると装着したスピーカーの良さが一層引き出されることとなる。

そうなる理由は主には2つある。1つは「システムに高度なコントロール機能を付与できるから」で、もう1つは「ソースユニットとしてのポテンシャルが上がるから」だ。

で、それらメリットの内容を詳しく解説する前に、この作戦がどのような人に向いているのかを説明しておきたい。まずこの作戦を実行するに当たっては、当然ながらメインユニットが交換可能であることが前提となる。純正のメインユニットを取り外すことが難しい車種や、純正メインユニットがオーディオ以外の機能も負っている場合には、そもそもこの作戦は選択し難い。そしてさらには使用しているメインユニットがまだ新しい場合にも、この作戦は不向きだ。

逆に、メインユニットが交換可能でしかも現在使っている機種になんらか不満がある場合には、この作戦の有効度は一層高まる。

例えば使用中のメインユニットがAV一体型ナビの場合、長きにわたって地図データの更新を行っていないのなら、ナビを新しくするのはアリだ。地図更新にもそこそこコストも手間もかかるので、この際最新機種に買い替えれば音も良くなりナビも使いやすくなる。

その他の部分も、5年も経っていると最新機種との違いが顕著だ。例えばもしも使用中の愛機がBluetoothに対応していない場合、これが使えるようになるだけでも利便性がぐっと高まる。そして操作レスポンスや画質も最新機種はおしなべて向上している。さらに機種によってはスペシャリティの高い機能を搭載しているものもある。というわけで使用中のメインユニットが古い場合には、最新の機種へと交換すればドライブの快適性はさまざまな局面で向上する。そして、音も良くなる。

高度なチューニング機能を持つAV一体型ナビの一例(三菱電機・ダイヤトーンサウンドナビ)。

高度なコントロール機能をシステムに付与できれば、車室内の音響的不利要因を改善可能に!

では、「メインユニット交換」を実行することでスピーカーの性能を一層引き出せる理由について詳しく解説していこう。まずは「システムに高度なコントロール機能を付与できること」から説明していく。

実を言うと、車室内環境には音響的な不利要因がいくつかある。なので、スピーカーを交換したことにより聴こえてくる音の質は明らかに向上するのだが、もっと音が良くなる伸びシロが多分に残されていることもまた確かだ。で、高度なコントロール機能をシステムに付与できるとそれらを改善できるので、聴こえ方がガラリと変わるのだ。

音響的な不利要因とは主には2つある。1つは、「リスニングポジションが左右のどちらかに片寄っていること」だ。これは、ステレオ再生を楽しもうとする上で大きなビハインドとなっている。ステレオとは、音楽を左右のchに分けて録音しそれを左右のスピーカーで再生することで音像を立体的に感じ取れるようにするものだが、リスニングポジションが片寄ると左右のスピーカーの音をバランス良く聴けないので、音像を立体的に感じ取るのが難しくなる。しかし、高度なコントロール機能を有するメインユニットに交換すれば、それへの対処が可能となる。擬似的に、すべてのスピーカーから等距離の場所にいるかのような状況を作り出せるのだ。

もう1つの不利的要因は、「周波数特性が乱れがちなこと」だ。車室内は狭いので、ガラスやパネルに反射した音もたくさん耳に入ってくる。で、音は反射すると、特定の周波数帯の音だけが増幅したり減衰したりする。さらには、シート等で吸収される音もある。こうして周波数特性が乱れがちになる。しかし高度なコントロール機能を駆使すると、周波数特性の乱れを整えることも可能となるのだ。

高度なチューニング機能を持つAV一体型ナビの一例(カロッツェリア・サイバーナビ)。

上流の音楽信号の質が上がれば、スピーカーから聴こえてくる音の質も一層良化!

続いては、「ソースユニットとしてのポテンシャルを上げられること」について説明していこう。高性能なメインユニットに交換すると、読み取られる音楽信号の質も向上する。さらには内蔵されているパワーアンプの能力も高まるので信号を増幅するときのコンディションも良好になる。こうしてより高解像度な信号がスピーカーに送り込まれることとなり、交換したスピーカーの性能が一層引き出されることとなるのだ。

また、楽しめるコンテンツの幅が広がる場合も多い。例えば、HDMI端子が備わっている機種を選べばスマホのミラーリングが可能となるので、YouTube動画をメインユニットの画面で観られ、音声はカースピーカーで楽しめる。ちなみに言うと、カロッツェリアの『サイバーナビ』なら、本機に搭載されているブラウザを介してYouTubeが楽しめたり、家庭のブルーレイレコーダーに録りだめた番組が観られたりもする。

さて、これらの利点が得られるメインユニットとは何なのか具体的に挙げておこう。楽しめるコンテンツには違いがあるが、高性能なチューニング機能を持ちかつ音質性能も高いのは、三菱電機の『ダイヤトーンサウンドナビ』、カロッツェリアの『サイバーナビXシリーズ』、『車種専用10V型サイバーナビ』、『サイバーナビ』、アルパインの『ビッグXシリーズ』、これらだ。また、パナソニックの『ストラーダ』の上級機、ケンウッドの『彩速ナビ』の上級機、カロッツェリアの『楽ナビ』も、先に挙げた機種に準じるチューニング能力が備わっている。

メインユニットが交換可能であるのなら、これらへの換装を検討する価値は大いにある。参考にしてほしい。

今回は以上だ。次回もスピーカー交換からの次の一手の解説を続行する。お楽しみに。

太田祥三|ライター
大学卒業後、出版社に勤務し雑誌編集者としてキャリアを積む。カー雑誌、インテリア雑誌、そしてカーオーディオ専門誌の編集長を歴任した後、約20年間務めた会社を退職しフリーに。カーオーディオ、カーナビ、その他カーエレクトロニクス関連を中心に幅広く執筆活動を展開中。ライフワークとして音楽活動にも取り組んでいる。

《太田祥三》

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