カワサキ・メグロK3、大排気量ブランドの歴史[フォトヒストリー]

2021年、カワサキ・メグロK3(手前)
  • 2021年、カワサキ・メグロK3(手前)
  • 1950年、ジュニアJ1
  • 1954年、ジュニアS2
  • 1954年、ジュニアS2
  • 1954年、ジュニアS2
  • 1955年、セニアT1白バイ仕様
  • 1956年、スタミナZ7
  • 1956年

1924年より、「大排気量」で「高性能」、「高品質」を謳い、かつてライダーたちから憧憬の念を集めた“メグロ”ブランドが甦る。カワサキモータースジャパンは、大型スポーツバイク『メグロK3』を10月29日に発売する。

1924年に創業し、日本国内におけるモーターサイクル文化の礎を築いた目黒製作所。カワサキと統合される1964年までメグロは、日本初のスポーツバイクブランドとして、公道だけでなく、レースでもトップクラスを走り続けた。メグロの伝統とクラフトマンシップは、カワサキの「Wシリーズ」に継承され、後の「ビッグバイクのKawasaki」の礎にもなる。

カワサキ(当時は川崎航空機株式会社)は名門・目黒製作所と1959年に提携、1964年にこれを吸収する。カワサキは大排気量市場でのアドバンテージを強めながら、同時に“メグロ”ブランドも引き継いだ。大排気量モデルで培ったノウハウを持ってカワサキに移籍したメグロの技術スタッフは、後に650ccのWシリーズで開発の中心的存在になったという。

メグロK3の名称の由来ともいえる“K”の始祖は、カワサキとメグロが業務提携した翌年、1960年に誕生したメグロ『スタミナK1』だ。このマシンは空冷OHVバーチカルツインエンジンを搭載し、カワサキの大型スポーツの世界戦略車『W1』のルーツとなった。

1965年のカワサキ『500メグロK2』は、神戸製作所に移動した旧メグロの技術者との共同作業によって、川崎航空機において設計から生産まで実施された。空冷4サイクルOHVバーチカルツインエンジンの496ccは、当時の国内最大排気量モデルで、警察をはじめ官公庁でも採用された。

その翌年、1966年に誕生したのがW1だ。排気量を624ccに拡大した空冷OHVバーチカルツインエンジンを搭載し、世界のマーケットに打って出た。その後1973年に、フロントダブルディスクブレーキを採用した『W3』へと進化する。そこからさらなる最高性能への挑戦が、「H」、「Z」、「Ninja」へと続く。Wブランドのヘリテージは1999年の『W650』に引き継がれ、2011年に排気量アップされた『W800』が登場、さらに2019年にはフルモデルチェンジして新しいW800に進化した。

そしていま、500メグロK2からW1が開発されたように、W800からメグロK3が誕生した。メグロK3は、カワサキ最古にして最長のシリーズモデルといえる。
カワサキ・メグロK3、絶対的な価値観[写真24点]

《高木啓》

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