39年ぶりの運賃値上げ…静岡県の遠州鉄道 2022年2月1日予定

2度の高架化に伴なう償却費や維持管理費の負担、耐震補強工事、八幡駅などでの駅バリアフリー化、定期的な車両更新など多額の投資に加え、コロナ禍による需要減少などにより運賃改定を余儀なくされている遠州鉄道。写真は1000形電車。
  • 2度の高架化に伴なう償却費や維持管理費の負担、耐震補強工事、八幡駅などでの駅バリアフリー化、定期的な車両更新など多額の投資に加え、コロナ禍による需要減少などにより運賃改定を余儀なくされている遠州鉄道。写真は1000形電車。

静岡県浜松市の新浜松駅(中区)と西鹿島(にしかじま)駅(天竜区)を結ぶ遠州鉄道は9月29日、国土交通省中部運輸局へ鉄道旅客運賃の上限変更認可申請を行なったと発表した。

同社では1983年2月以降、消費税転嫁を除けば運賃改定が行なわれていなかったが、今後は地上設備の維持・改修や車両更新などに多額の費用が見込まれるほか、少子高齢化、コロナ禍による需要減少もあり、平均改定率3.9%の運賃値上げに踏み切ることになった。

ちなみに、2020年度の鉄道部門収支は2億3497万6000円の赤字となっているが、運賃改定により2022~2024年度は3000万円台まで赤字を抑えられるとしており、対前年度比の需要見通しも、2020年度の71%から2021年度以降、100%超えが推定されている。

実施予定日は2022年2月1日で、普通運賃は4kmまでの最低運賃が現行より20円アップの140円に。現行160~240円となっている4.1~8kmの区間では一律10円ずつの加算とし、現行280円となっている8.1km以上の区間は据え置かれる。

最低運賃(現行120円)に限って言えば、事業環境が厳しい地方私鉄であるにも拘わらず、JR東日本の電車特定区間、山手線内のもの(通常140円)と比較して、かなり長い期間、割安に抑えられていたと言え、ようやくJR並となる。

一方、定期運賃は平均2.7%の改定率となるが、こちらも8.1km以上の区間は据え置かれる。

《佐藤正樹(キハユニ工房)》

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