旬の野菜を栃木から東京へ!…ユサワ自動車の『出張マルシェ』

2度目の緊急事態宣言が解除された、2021年3月末ごろ。栃木市西方町で自動車販売・整備・修理を行う「ユサワ自動車」の湯澤孝典代表(37歳)とネット会議で会話したときのこと。

『4月に、東京の足立区で朝10時から2時間だけなんですけど「マルシェ」をやります! 地元の西方町真名子の農家さんが育てた栃木産のイチゴや新鮮な野菜、お米なんかを軽バンに積めるだけ積んで、西方町から私(湯澤社長)が自走で足立区まで運びますんで、もしよかったら、感染対策万全のマスク着用でいらしてください』

と湯澤社長。それを聞いた筆者(当メディア編集部員)は、コロナ禍のこのご時世、都内から気軽に栃木へは行きづらいが足立区なら行ける! 西方町の新鮮な野菜やお米を食べてみたい! と即座に思い、都内近郊に暮らす友人数名にも声をかけ、4月17日(土)の朝10時に車でマルシェ会場へ赴いた。


◆皮付きタケノコや蕨など「旬」の新鮮野菜が勢揃い

2021年4月17日(土)の朝10時~お昼12時まで開催された「第一弾 まなご出張マルシェ」の会場

足立成和信用金庫 中央支店の駐車場に設営されたテントの下に、ネギやほうれん草、ブロッコリー、大根、トマトなどの野菜をはじめ、栃木特産のイチゴが箱積み状態。その他、ジャムや味噌、ドリップコーヒーなどもあり、数多くの食材が賑やかに並べられていた。一部の野菜の側にはレシピが用意されていたり、栃木市西方町真名子の紹介ガイドもあった。

すでに10数名の人たちが野菜をじっと眺めたり、手にとったりしながら購入を検討している様子で、20分おきぐらいに来店客が入れ替わり、支払いの列ができる。

「第一弾 まなご出張マルシェ」の様子
「第一弾 まなご出張マルシェ」の様子

早く購入しないと完売しそうな勢いだったので、筆者も来店客としてマルシェ出品物をチェック。都内のスーパーでは見かけない、皮付きのタケノコ400円や、葉っぱ付きで実に大きい大根150円、大粒のイチゴも気になったが、買いすぎてしまいそうだったので今回は、タケノコと蕨(タケノコと蕨は、アク抜きの灰付き)のほか、真名子産のお米、紫イモ、ほうれん草を購入した。

「第一弾 まなご出張マルシェ」の様子
「第一弾 まなご出張マルシェ」の様子
「第一弾 まなご出張マルシェ」の様子
「第一弾 まなご出張マルシェ」の様子


◆約2時間の間に200名ほどが「まなご出張マルシェ」へ

マルシェ終了から数日後、ユサワ自動車の湯澤社長にネット会議の場で尋ねたら、わずか2時間ほどだった「まなご出張マルシェ」に約200名ほどが訪れたとのこと。

また、今回販売された45品目は、マルシェ前日に西方町真名子の農地で収穫、箱詰めされた旬の食材で、それらを軽バンに積み込み、マルシェ当日の17日早朝6時頃、湯澤社長自らが地元から都内を目指して軽バンを走らせ、足立区のマルシェ会場に届けたのだという。

「第一弾 まなご出張マルシェ」で販売された野菜を軽バンに積み込んだところ
「第一弾 まなご出張マルシェ」で販売された野菜を軽バンに積み込んだところ
「第一弾 まなご出張マルシェ」で販売された野菜を軽バンに積み込んだところ


◆過疎と高齢化が進む「栃木市西方町」

栃木市西方町について触れておきたい。西方町は、イチゴや米の生産農家が多いエリアなのだが、人口はわずか6,000人ほど。

今回「まなご出張マルシェ」を足立区で実現した湯澤社長が経営する「ユサワ自動車」がある西方町真名子地区の人口は1,049人(2021年4月時点)という状況で、農地法による過疎や高齢化が進んでいる。

栃木市西方町真名子 紹介ガイド。「第一弾 まなご出張マルシェ」会場に設置されていた
ユサワ自動車は、創業者である故・湯澤善市会長(湯澤社長の実父)の時代から、長年西方町の課題に向き合い続けている。

自社スタッフ総出で “地域の活性化”を目的としたイベントお客様感謝祭「恩返し祭」を1994年から25年間に渡って、毎年11月中旬頃に開催。マグロの解体ショーやマジックショー、カラオケ大会など、大人から子どもまで老若男女が楽しめる企画を多数用意。近隣各地から300人を超える来場者が訪れるほど大盛況で、毎年恒例の賑やかな催しとして、地元で定着している。

栃木市西方町「ユサワ自動車」が2016年に開催した「恩返し祭」の様子


◆地元のクルマ屋として「栃木市西方町」を盛り上げたい!

2020年はコロナ禍ゆえ、やむなくユサワ自動車の「恩返し祭」は中止となったのだが…。地元・西方町の盛り上げ隊長である湯澤社長に “ 停滞 ” の文字はない。

栃木と縁があり、地域貢献活動に注力する「足立成和信用金庫」理事長の土屋武司氏と、農業支援の思いから西方町にセカンドハウスを持つ青木宏氏(CBジャパン取締役会長)とタッグを組み、2021年4月17日(土)に足立成和信用金庫 中央支店の駐車場で『第1弾 まなご出張マルシェ』を開催するに至ったのだ。なお、同マルシェの収益金の一部は、地域住民や自治体が主体となって、無料や低価格帯で子どもたちに食事を提供する「こども食堂」の支援金に活用される。

「第一弾 まなご出張マルシェ」の様子
「第一弾 まなご出張マルシェ」の様子
「第一弾 まなご出張マルシェ」の様子
「第一弾 まなご出張マルシェ」プロジェクトメンバーの皆さん(右:ユサワ自動車 湯澤孝典代表、中:足立成和信用金庫 土屋武司理事長、左:CBジャパン 青木宏 取締役会長)
実は、次回の開催予定日が間近だ。2021年5月22日(土)朝10時~13時に、シービージャパン 本社 駐車場(東京都足立区梅島1丁目36番9号)にて、『第2弾 まなご出張マルシェ』が開催される予定だ。出品される食材は前日21日に収穫できる野菜とのこと。コロナ禍ゆえ急遽マルシェが中止になる可能性があるため、参加したい方は足立成和信用金庫 本店に電話(03-3882-0141)で問い合わせしてほしい。


◆地元密着のクルマ屋さんは “ 地域活性化 ” に取り組んでいる

本記事の最後に、伝えておきたいことがある。コロナ禍ゆえ開催が中止や延期されているものの、ユサワ自動車の湯澤社長のように、地元で老舗の自動車プロショップ(自動車整備工場)が、“ 地域の盛り上げ役 ” として、工夫を凝らした取り組みを積極的に行っている事例は、全国各地にいくつかある。

日本には、91,537軒(国土交通省「自動車整備工場に関する統計/認証・指定工場数及び新規・廃止状況(速報)(毎月末)」2021年3月末時点より)もの自動車整備工場があり、この数はコンビニより多いと言われている。

国土交通省「自動車整備工場に関する統計/認証・指定工場数及び新規・廃止状況(速報)(毎月末)」2021年3月末時点

全国各地にあまたある自動車整備工場の中には、30年や40年以上続く老舗も少なくない。過疎化が進むローカルエリアの場合などは、ユサワ自動車のように、地元で老舗のクルマ屋さんが “ 地域の活性化 ” に注力しているケースがあるのだ。

大切な愛車を預けているショップが実施しているイベントに関心をもち、一度、参加してみると面白い発見があるかもしれない。当然のこととして、参加時は万全の体調でマスク着用のもと、コロナ感染対策を徹底してほしい。

栃木市西方町真名子にある「ユサワ自動車」本社

《カーケアプラス編集部@金武あずみ》

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