次世代パーソナルモビリティー「Future mobility “GOGO!”」を開発・販売するFuture株式会社は、3月31日に報道機関向け製品説明会を開催した。
Future mobility “GOGO!”は、2020年3月から発売している一人用の乗り物。車体の構造は前輪がふたつ、後輪がひとつの構成で、後輪内にモーターを内蔵。ステップの下に内蔵された標準バッテリーで、最高速30km/h、航続30kmを走行できる。なお、満充電にかかる電気代は約10円だ。
Future mobility “GOGO!”の見た目はスクーターのようだが、道路交通法の区分は「ミニカー」。そのため、メーカーはヘルメットを推奨しているが法律上はヘルメットをせずに走行可能。普通自動車免許を所持していれば運転できる。
この製品の特徴は、軽さと剛性を両立させたところ。Future mobility “GOGO!”は装備の異なる3種類「S」と「カーゴ」、「デリバリー」が用意されており、車体重量は23~25kgと軽量。さらに“GOGO!”とは別のカテゴリーになるが、ハイパワーモーターをカーボンモノコックフレームに搭載したハイエンドモデル「Future mobility F1」は、重量18.5kgとさらに軽い。
前輪を支えるマルチリーンサスペンションは、カーレースの技術をフィードバックして設計されている。と言うのも、同社の代表取締役CEO・井原慶子氏は、1999年にレースデビューしてから世界70カ国を転戦してきた女性レーサーで、WEC世界耐久選手権では女性で初めて表彰台に上がった人物。井原氏は会見で、いままで各国の技術者とレーシングマシンを開発してきたノウハウを投入して作った経緯を解説した。
そのため、Future mobility “GOGO!”はスラローム走行をしても車体はびくともしない。かわいい見た目からは想像できないくらいアクティブに走行できる。実際に井原氏たち開発グループは、工場がある三重県鈴鹿市から東京の六本木まで耐久テストを行い、何もトラブルなく走破できた結果を報告した。
実証実験やデモ走行を担当した同社執行役員CMO・坂田智子氏は、「移動して楽しい乗り物。気分が晴れないときは運転すると楽しくなるので、アクティブな趣味として使って欲しい」と製品をアピールした。
現在、Future mobility “GOGO!”の製造を行っている三重県鈴鹿市の工場では、月産50~100台体制で生産をしている。現在は同社のサイトから購入するしかないが、2021年4月からは代理店契約を行った店舗でも購入できる予定。
価格は「Future mobility “GOGO!” S」が23万8000円(税別、以下同じ)、「Future mobility “GOGO!” カーゴ」が24万8000円、「Future mobility “GOGO!” デリバリー」が25万8000円、「Future mobility F1」が42万8000円。