マツダ 丸本社長「全社挙げて黒字実現へ」…通期営業利益イーブンに上方修正

マツダMX-30と丸本明社長(2019年10月)
  • マツダMX-30と丸本明社長(2019年10月)
  • マツダMX-30 EVモデル
  • マツダCX-30
  • マツダ 丸本明社長(参考画像)

マツダが2月4日に電話会議で発表した2021年3月期の第3四半期(4~9月期)連結決算は、コロナ禍の影響で営業損益が320億円の赤字(前年同期は323億円の黒字)となった。

第3四半期からは営業黒字に転換しており、通期営業利益は損益イーブンへと上方修正した。第3四半期累計のグローバル販売は16%減の93万台だった。主力の米国は新規投入の『CX-30』などSUVシリーズの好調で2%増の21万1000台となり、販売網の強化策なども実って前年を上回った。また、市場の回復が早かった中国も2%増の17万8000台と成長を確保した。日本は18%減の11万4000台だった。

営業利益段階での増減益要因は、出荷台数や部品販売の減少による影響が1227億円に及んだ。為替はカナダドルや新興国通貨が円高となったため、通貨全体の減益影響は69億円だった。増益効果では広告宣伝費や研究開発費の抑制・効率化などによる固定費・その他で610億円を確保した。売上高は23%減の1兆9595億円、純損益は782億円の欠損となった。第1四半期の操業停止による生産ロスとして205億円を営業損益から特別損失に振り替えている。

通期業績予想は、第3四半期の営業損益が209億円の黒字に転じたことなどから営業損益は従来比で400億円上方修正のイーブン(前期は436億円の黒字)に見直した。純損益も400億円の上方修正とし、500億円の欠損(前期は121億円の黒字)とした。通期グローバル販売は、前期比8%減の130万台の計画を維持している。

電話会議で丸本明社長は、通期の上方修正について「北米、豪州、ASEANでの販売回復と全社・全リージョン挙げての固定費削減で、かろうじてブレークイーブンに修正できた。とはいえ、(営業損益から振り替えた)特別損失を含めると実質的にはまだ赤字で満足していない」とコメントした。そのうえで「ただ、来期に向けてはひとつの流れができたかなと感じている。ブレークイーブンを少しでも上回る営業黒字を実現すべく、全社あげて粘り強く取り組んでいきたい」と述べた。

一方、世界的な半導体不足による生産への影響が今月から出るとし、現時点では内外で2月に7000台の減産を見込んでいると説明した。この影響は通期の業績予想にも織り込んでいるという。

《池原照雄》

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