例題103問で読み解くチューニング…名エンジンを数多く設計した著者

『エンジンチューニングを科学する』
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『エンジンチューニングを科学する』
著者:林 義正(工学博士)
発行:グランプリ出版
定価:2000円+税
ISBN978-4-87687-377-7

エンジンを構成するさまざまな部品について、チューニングの例題103問に回答する形式で詳細に解説。実際にチューニングを志す人はもちろん、エンジンをより深く知りたい人にも最適な一冊が刊行された。

本書はエンジンを構成するカムシャフト、シリンダー、ピストン、オイルポンプ、バルブなど膨大な部品の一点、一点について、その特性と役割、扱う上での注意点などについて「チューニング」の観点から解説している。

その大きな特徴は1問あたり図表も含めて2ページで解説している点である。文章量にすると1ページにもならないが、非常に要点がわかりやすくまとめられており、興味のある、あるいはやってみたいと思われる例題を目次で探し、そこだけを読むことでも大いなる知識が得られるだろう。その例題は“点火プラグを熱価の高いものと替えた”とか、“ターボのサイズを大きなものに替えた”といった、クルマ好きであれば比較的想像の付きやすいものから、“カムシャフトを素材からつくり直した”、“燃焼ギャラリーをつくり替えた”など少し専門的なもの、一方で、“冷却水を水に替えた”、“マフラーをずんどうにした”などもチューニングをもとに、専門的な視点で“科学的に”解説しているので、興味深く読むことが出来よう。

著者の林義正氏は、デイトナ24時間レースで日本車として初の総合優勝したマシンに搭載されたエンジンを手掛けるなど、数多くの名エンジンを設計し、大学で長年にわたり多くの後進を育てた方である。

なお、本書は1998年刊行の同書の新装版である。

《内田俊一》

内田俊一

内田俊一(うちだしゅんいち) 日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を活かしデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。また、クラシックカーの分野も得意としている。保有車は車検切れのルノー25バカラとルノー10。

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