シベリア鉄道で日欧間パイロット輸送…年内には欧州へ到達 11-12月

シベリア鉄道
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  • シベリア鉄道でブロックトレインを使うパイロット輸送の概要。
  • モスクワにあるシベリア鉄道0kmポスト
  • シベリア鉄道、チタ駅
  • シベリア鉄道の東端、ウラジオストク駅
  • ウラジオストク市街と金角湾

国土交通省は11月2日、シベリア鉄道の貨物列車を1編成借り上げる「ブロックトレイン」による日欧間のパイロット輸送試験を11~12月に実施すると発表した。

日欧間の貨物輸送は、1980年代前半までその2割程度がシベリア鉄道(ウラジオストク~モスクワ)を利用して行なわれていた。輸送品質や輸送日数などの問題はあるものの、海路や空路より低コストなことがおもな理由だったが、1991年のソ連崩壊後に鉄道運営が混乱して以来、日本からの利用が最盛期の40分の1程度にまで減少していた。

しかし、2018年4月には日本とロシアが共同で「パイロット輸送」と呼ばれる安全かつ効率的な輸送の試験をシベリア鉄道を利用して行なうことが合意され、2018年度には日本~モスクワ間、2019年度には日欧間で合計11件実施。おもにコンテナ1本で検証した結果、輸送日数や輸送品質などに大きな問題はないとされた。

今回の試験では、11月5~6日に横浜港、11月8日に神戸港、11月12日に富山新港をそれぞれ出発し、11月13~14日にはウラジオストク港に到着。11月18日にウラジオストク駅からブロックトレインが出発し、モスクワからはモスクワ・ブレスト鉄道、レールの軌間が異なるベラルーシのブレスト、ポーランドのマワシェビチェにある両国の国境からは鉄道またはトラックにより継送し、12月上旬頃には欧州内に達する予定で、年内に輸送を完了するとしている。

国土交通省では、試験を通してコストの詳細や、発送から納品までのリードタイム、継送時の手続きなどを検証。2021年1~3月には結果を取りまとめるとしている。

《佐藤正樹(キハユニ工房)》

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