紀勢本線の電化区間、紀伊田辺以東にも227系…近畿エリアでは終電繰上げへ JR西日本2021年春のダイヤ改正

紀勢本線の電化区間では紀伊田辺まで運用されている227系。
  • 紀勢本線の電化区間では紀伊田辺まで運用されている227系。
  • 広島地区で使用されている227系。
  • 紀勢本線で2021年春から新たに加わるICOCA対応駅。
  • 227系の投入により、2021年春のダイヤ改正で紀勢本線から姿を消すことになった105系。写真は和歌山線で運用されていた時のもの。
  • JR西日本が示した終電繰上げの検討イメージ。
  • ウェブサイト上で行なわれた終電繰上げに関するアンケート結果。終電利用は限定的という結論に。

JR西日本は8月27日、2021年春に予定しているダイヤ改正で、「きのくに線」こと紀勢本線紀伊田辺~新宮間に227系近郊形電車を導入することを明らかにした。合わせて紀勢本線のICOCAエリアが拡大される。

紀勢本線では2019年に227系1000番台の投入が始まり、現在は和歌山~紀伊田辺・和歌山市間で運用されているが、今回は紀伊田辺~新宮間の普通列車で運用されている国鉄型の105系通勤形電車を、2両編成の227系1000番台に置き換える。

同車には車載型のIC改札機が設置されるため、紀伊田辺~新宮間の21駅が新たにICOCAエリアに加わり、ICOCA定期券の利用も可能となる。これにより和歌山県全域でICOCAの利用が可能となる。

このほか2021年春のダイヤ改正では、近畿エリアで深夜帯ダイヤの見直しが計画されている。8月26日の発表によると、主要線区を対象に10~30分程度の終電繰上げを実施し、50本程度を減便するとしている。ただし、新大阪23時45分着の東海道新幹線下り最終列車との接続は可能な限り確保するという。

線区ごとの具体的な時刻については9月に発表されるが、終電繰上げにより、深夜帯における保線作業を拡大できるほか、1回あたりの作業量や保線機械を使った効率的な作業を増やすことができ、作業日数の削減にもつながるとしている。

JR西日本では近畿エリアの利用者を対象に、終電繰上げに関するアンケートを行なっているが、それによると約2~3割の利用者が反対意見を示していたという。しかし、「私鉄と同じ時間ぐらいまでの運行」「最終新幹線からの接続確保」といった条件を提示したところ、反対意見が半分以下に減少。終電の利用頻度が限定的で、その傾向はさらに進んでいると結論づけられている。

《佐藤正樹(キハユニ工房)》

【注目の記事】[PR]

編集部おすすめのニュース

特集