従業員の新型コロナ感染、上場企業200社超に拡大…自動車など製造業は直近10日で2倍に

「新型コロナウイルス」感染者の発生 週別推移
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  • 「新型コロナウイルス」感染者の発生 業種別
  • 感染を公表した企業各社

帝国データバンクは4月14日、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に従業員が感染したことを公表した上場企業についての調査結果を発表した。

それによると、グループ会社や関連会社を含め、新型コロナウイルスに感染した従業員が判明した上場企業は、4月3日以降の10日間で約100社。13日までに累計210社に上ったほか、感染により従業員が死亡したケースも発生した。国内で感染者が相次いだ2月以降、従業員を多く抱える国内上場企業にも影響が拡大している。

業種別に見ると、最も多かったのは「製造業」(70社)。全体の3割超を占め、直近10日間で2倍に増加した。製造業では、自動車や機械や化学、食品など幅広い分野で感染者が相次いでいる。日産自動車やいすゞ自動車は、自社拠点に勤務する従業員が感染。日本新薬は、社外取締役が感染したことを公表した。次いで多かったのは「サービス」(38社)で、「運輸・通信」「卸売」(19社)、「小売」(18社)が続く。B to C業種となるサービスと小売で全体の2割超を占めている。

従業員の感染公表が相次いだ建設では、業界全体が数か月にわたり停止する可能性が浮上している。建設は15社で従業員の感染が発覚し、10日間で2.5倍に急増。こうした中、作業員の感染が判明した清水建設は工事中止や現場の閉鎖を、西松建設では緊急事態宣言の発令による工事中止などを表明している。大手ゼネコンのこうした動きは、他ゼネコン各社にも影響する可能性があり、下請企業などに大きな影響を及ぼす恐れがある。

感染拡大は収束が見通せず、影響は長期化する兆しを見せている。感染による自社、他社への影響を最小限に抑えるためにも、各企業で感染症リスクに対する行動指針の見直し、適切な情報開示が急務となっている。

《纐纈敏也@DAYS》

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