国土交通省は2月28日、輸送の安全性を確保して持続的な物流機能を維持するため、台風など、異常気象時にトラックを運行する目安を設定すると発表した。
台風などの異常気象時、トラック運送事業者が輸送の安全を確保することが困難な状況下で荷主に輸送を強要され、トラックが横転するなどの事故が発生している。こうした場合、ドライバーの生命や身体が害されるおそれがあるだけでなく、トラック運送事業者は行政処分を受け、当初の運行計画が崩れることによって物流全体の効率性が損なわれ、持続的な物流機能にも影響が生じるおそれがある。
こうした状況を踏まえ、異常気象時における輸送のあり方の目安を定める。
雨や風の強さに応じた車両へ与える影響を示すとともに、輸送の安全を確保するための措置を講じる目安について定める。具体的には、30~50mm/hの雨で高速走行時、車輪と路面の間に水膜が生じブレーキが効かなくなる場合や、風の強さが20~30m/sで通常の速度で運転が困難な場合、輸送中止を検討するべきとしている。雨が50mm/h以上や、風が30m/s以上の場合、輸送は適切でないとしている。
また、運送事業者が気象情報から輸送を中止する場合、直ちに荷主へ報告することや、安全な輸送を行うことができない状況であるにもかかわらず、荷主に輸送を強要された場合、国土交通省に設置する「意見募集窓口」に通報することも定める。