[カーオーディオ・インストレーション]スピーカーの取り付け…インナーバッフルの役割 その2

内張りパネル内にスピーカーを取り付ける際には、「インナーバッフル」がさまざまな役割を果たす。
  • 内張りパネル内にスピーカーを取り付ける際には、「インナーバッフル」がさまざまな役割を果たす。

カーオーディオ製品を取り付けるにあたってのセオリーを紹介しながら、カーオーディオの奥深さを明らかにしようと試みている当コーナー。まずはスピーカーの取り付けに関する項目からピックアップしている。今回も、「インナーバッフル」の役割について解説していく。

前回は、「インナーバッフル」がスピーカーを取り付けるにあたり「スペーサー」として機能すると説明した。今回はそれ以外の役割を紹介していく。

結論から入ろう。「インナーバッフル」は「スペーサー」としての役割の他に、「音響パーツとしての役割」も果たす。具体的には以下の2つの役割を担う。1つが「スピーカーの足場を固めること」、もう1つが「スピーカーの振動を鉄板に伝えないこと」、以上の2つだ。これらの役割を果たすことで、スピーカーが本来の性能を発揮しやすくなる、というわけなのだ。

さらに踏み込んでいこう。前回の説明の中で、「スピーカーをドア内部の鉄板に直付けするのはNGだ」と説明した。ここでその理由を解説しておく。

ドア内部の鉄板は案外に薄い。ゆえにそこにスピーカーを直接取り付けると、スピーカーはしっかり踏ん張れない。踏ん張りが効かないと、振動板を動かそうとするときにエネルギーをロスしてしまう。野球のピッチャーが柔らかいマウンドでは速い球を投げにくくなるように、スピーカーも足場が柔らかいと力強く振動板をストロークさせられなくなる。しかし「インナーバッフル」を使えば、状況を変えられる。

さらに、クルマのドア内部の鉄板は薄いがゆえに、簡単に振動してしまう。スピーカーの裏側から発せられる音でも共振するが、スピーカーが振動板を動かすその動きがダイレクトに伝わっても振動してしまう。しかし「インナーバッフル」を介してスピーカーを固定すれば、振動の伝播を防げる。結果、より良いコンディション下でスピーカーが仕事に邁進できるる、というわけなのだ。

まとめよう。「インナーバッフル」は、スピーカーを取り付けるための必要部材であり、音響的なコンディションを整えるための部材でもある。覚えておこう。

今回はここまでとさせていただく。次回以降もスピーカーの取り付けに関するさまざまなセオリーを紹介していく。お楽しみに。

《太田祥三》

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