汎用CAEの最新版「ANSYS 2019 R2」リリース、設計からエンジニアリング、製造までのデジタルスレッドを強化

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アンシスは、汎用CAE(Computer Aided Engineering)の最新版「ANSYS 2019 R2」をリリースした。

CAEは自動車など、さまざまな分野の研究・開発工程で、試作品によるテストや実験のかわりに、コンピュータを用いた仮想試作・仮想試験を行いシミュレーションし分析する技術。少ない試作や実験回数で高品質な製品を設計できる技術として注目を集めている。

最新版となるANSYS 2019 R2では、有限要素法解析ソフトウェア「ANSYS Mechanical」のユーザーインターフェースを刷新。操作性の向上、カスタマイズ関連項目、高速検索、および起動ツールといった新機能を提供し、操作習得までの時間を短縮。エンジニアの生産性向上に貢献する。

また、同社が買収したDfR Solutions社の自動設計信頼性解析ソフトウェア「Sherlock」をANSYSのポートフォリオに追加。Sherlockは、エレクトロニクス製品向けの機械的信頼性にフォーカスしており、数週間かかっていた電子製品のCADアセンブリでも、1時間以内でアセンブリから解析まで完了できるようになる。

そのほか、強化されたSMART亀裂進展モデリングは、結果形状の準備時間を短縮する新しいトポロジー最適化手法により、エンジニアリングから製造までのデジタルスレッドも短縮。また、主に石油およびガス分野の構造物や工業用重機モデル向けの機能として、シェルおよびビームモデル用にメッシュベースのバッチ接続機能も追加している。

有限要素法解析ソフトウェア「ANSYS Mechanical」では、Granta Design社の買収により、600種類を超える材料データを追加。材料特性の検索に要する時間が短縮されることで、モデルのセットアップもスピードアップする。ANSYS GRANTA Materials Data for Simulationデータパッケージは幅広い材料タイプをカバーしており、構造解析に必要な主要データへのアクセスも容易となっている。

電磁界・回路・システムシミュレーション用統合プラットフォーム「ANSYS Electronics Desktop」では、ANSYS HFSS SBR+での加速ドップラー処理により、自律走行車両やその他の近距離場レーダー検知システムに関連したADASレーダーシナリオのモデル化を約100倍に高速化。また最新版からは、ANSYS Electronics DesktopからオンデマンドでANSYS Cloudに直接アクセス可能となった。すでに電磁界解析ソフトウェア「ANSYS HFSS」およびSI/PI/EMI解析ツール「ANSYS SIwave」を使用している企業は、高速で分散されたシミュレーションを今すぐに利用でき、より忠実度の高いモデルやより多くの設計バリエーションの解析を行えるようになる。

ANSYSの流体スイートでは、デジタルトランスフォーメーションを加速させる新たなFluentエクスペリエンスを強化・拡張。スクリプトやポップアップなしに、これまでの2倍の速度で質の悪い非水密形状に対するメッシュを生成。数日から数週間を要していた複雑なモデルも、数時間でメッシュが生成できるようになった。また、燃焼シミュレーションをスピードアップできる新機能も追加し、以前の手法よりも36%少ない化学種によるメカニズムに簡略化。並列パフォーマンスのゲインは、噴霧、化学反応、火炎伝播の物理場を含むフルサイクル内燃機関シミュレーションを2倍にスピードアップする。

ANSYS 2019 R2では、自動運転システム向けに、新しい包括的なドライビングシミュレーションプラットフォーム「SCANeR」を採用した「ANSYS VRXPERIENCEドライビングシミュレータ」を提供。イベント、周囲の交通環境および車両力学、さらには包括的で精度の高いマルチボディ車両力学を含む高度なシナリオを準備してシミュレーションを実行でき、デジタルフレームワークの中で自動運転システムをテストすることで、実機試験を削減して、製品化までの時間を短縮できる。

《纐纈敏也@DAYS》

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