知らなければ夏タイヤ! ミシュランの新しいオールシーズンタイヤ『クロスクライメート プラス』

ミシュラン・クロスクライメートシリーズ試走レポート
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  • ミシュラン クロスクライメートシリーズ試走レポート 日本ミシュランタイヤ PC/LTタイヤ事業部 ブランド戦略マネージャー 黒谷 繁希氏
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欧州で消費者満足度96%のタイヤが日本上陸!

オールシーズンタイヤというのは、雪上もそれなりに走れるが、とかく夏性能、冬性能とも中途半端と認識されがちだ。ところが、ミシュランのクロスクライメートシリーズは、雪も走れる夏タイヤをコンセプトに掲げるとおり、夏タイヤをベースに開発された新商品だ。

夏タイヤの性能を落とすことなく雪上の走行を可能としたというタイヤであり、日本に先がけて2015年より導入されている欧州市場においても、消費者満足度では96%のユーザーが支持し、多くのメディア等のアワードを獲得した実績がある。

クロスクライメートはのターゲットは以下を想定している。
・普段はあまり雪は降らないが、年に数回降る可能性のある地域に住んでいて、その時に慌てたくないという人
・スタッドレスタイヤ特有の腰砕け感が嫌いという人
・履き替えのため時間やコスト、タイヤ保管のためのスペース確保にストレスを感じる人
・めったに雪道は走らず、チェーンの付け方をよく知らない人

日本の消費者がオールシーズンタイヤに求める性能を上位から挙げると、
1、ウェットブレーキ
2、ウェットハンドリング
3、ドライブレーキ
4、スノーグリップ
の順となる。

ミシュラン クロスクライメートシリーズ試走レポート 日本ミシュランタイヤ PC/LTタイヤ事業部 ブランド戦略マネージャー 黒谷 繁希氏

このコンセプトを実現するため、クロスクライメートには、条件を問わず幅広い温度域に対応するコンパウンドや、排水性能を引き出すVシェイプのトレッドパターン、ブロックのねじれやエッジの巻き込みを軽減する面取り加工、摩耗するにつれて拡大する深いティアドロップ型のサイプなど、いくつかの特徴が与えられている。

そのフィーリングは夏タイヤか? それともやはりオールシーズンなのか?

そしてまずは夏の性能を確認するため、栃木県のGKNドライブライン・プルービンググラウンドへと向かった。

まずウェットブレーキを試す。ウェット試験路にて、195/65R15サイズのエナジーセーバー+を装着した日産『セレナ』との比較で、60km/hから10km/hになるまでの距離を計測し、同じように3回ずつ走行したのだが、なんと3回ともクロスクライメートのほうが短い距離となった。

実際のフィーリングもまさしくそのとおり。クロスクライメートは路面に食いつく感覚が強く、ABSが作動する音もだいぶ違って、小刻みにABSを効かせて短く止まろうとするのに対し、エナジーセーバー+はABSを途中でリリースする頻度が高く、滑走して距離が伸びてしまう印象があった。

次いで高速周回とハンドリングを試す。OEM装着される215/60R17サイズのプライマシー3を履かせたトヨタ『C-HR』ハイブリッドと、市販品の205/55R16サイズのエナジーセーバー+を履かせたVW『ゴルフ』を、それぞれクロスクライメートと乗り比べた。

全体を通して印象的だったのは、走りの差が思ったよりもかなり小さかったことだ。ふつうに流しているぶんには操縦性も音もサマータイヤとなんら変らない。とくにC-HRのOEのプライマシー3は、転がり抵抗や音が専用に最適にチューニングされているそうだが、それに対しても遜色ない。

音については車種や走行条件による相性があるわけだが、80km/hでストレートを走行した際には、むしろクロスクライメートのほうが静かに感じたぐらい。パターンの影響か、舵角のついた状態で路面と接するバンクでは、やや音が大きめとなったが、それも気になるほどではない。

一方、エナジーセーバー+を装着したゴルフに対しては、全体的に音の違いはずっと小さかった。80km/hのスラロームやレーンチェンジでも、ゴルフではほとんど違いがなく、C-HRではヨーが出すぎないように感じた。車両の挙動が自然で、とても素直に動いてくれる。これはオーバーシュートしないぶん揺りもどしが小さく、収束性も高いからだ。

プライマシー3は優れたハンドリングが持ち味のタイヤであり、俊敏な操縦性はその表れに違いないが、適度にマイルドなクロスクライメートのほうが乗りやすく感じる人も多いことと思う。

ウェットハンドリングにも感心させられた。サマータイヤ同士ではプライマシー3のほうがエナジーセーバー+よりもだいぶウェットグリップが高いようだが、クロスクライメートもごく普通におとなしく流すぶんには、挙動の違いに両者の差はそれほど大きくない。剛性も十分に確保されていて、オールシーズタイヤにありがちな腰砕け感もなく、なんら不安なく走れる。

さらにペースを上げていくと、さすがに車速を高めるにつれて応答遅れや滑り出しの早さが徐々に気になり出すのは否めないが、せっかくこういうコースなので限界域まで攻めてみても、とてもオールシーズタイヤという印象ではなかった。

滑ってもリカバリーが早く、小さなスリップアングルを保ったままコーナーリングでき、切り増しにもしっかりついてくる。そもそも雪を走れるというタイヤでこんな走り方ができてしまうこと自体がたいしたもの。もし事前に知らされていなかったら、夏タイヤだと思い込んで乗っていたかもしれない。

これで本当に雪も満足に走れるのなら恐れ入るほかない話だが、はたしてどうだろうか? 冬の北海道を走ってみた印象を近日中にお届けしたい。

ミシュラン クロスクライメートシリーズ試走レポート 岡本幸一郎氏

《岡本幸一郎》

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