ロボット汎用プラットフォームで開発コストが半分、VAIOが提供…ロボデックス2019

VAIOの吉田秀俊社長とロボット汎用プラットフォーム「Simple」
  • VAIOの吉田秀俊社長とロボット汎用プラットフォーム「Simple」
  • VAIOのロボット汎用プラットフォーム「Middle」
  • これまでVAIOが委託生産をしてきたロボット群

VAIOは1月16日、東京ビッグサイトで開幕した「第3回ロボデックス」の会場で、国内初の「ロボット汎用プラットフォーム」を構築し、提供すると発表した。吉田秀俊社長は「これで開発コストを半分にすることができるのではないか」と期待を寄せた。

同社は2015年にロボットを手がけるEMS事業を立ち上げ、これまでに富士ソフトの「パルミ」やトヨタ自動車の「キロボミニ」など数種類のロボットを受託生産してきた。「この4年間さまざまなロボットを作ったことによって技術の蓄積ができた。しかし、コミュニケーションロボットは開発費が高いなどの課題があった」と吉田社長。

そこで、今回のロボット汎用プラットフォームを提供することによって、開発コストを安くし、顧客のニーズに迅速に応えるようにしようと考えたわけだ。これにより、ロボットサービスの提供を考えている企業は、短期間で効率よくロボットをつくり上げることができる。

今回提供するプラットフォームのハードウェアは「Middle(ミドル)」と「Simple(シンプル)」の2種類。シンプルは対話を主目的としたコミュニケーションロボットとして必要十分な機能もつハードウェアで、それをぬいぐるみなどに埋め込むだけでコミュニケーションロボットになる。

それに対し、ミドルは動いたり、カメラで顔認識したり、液晶ディスプレイを搭載するなど多機能なロボットを開発する場合のハードウェアで、パルミやキロボミニがそれに当たる。ハードウェアはニーズに応じてカスタマイズされることになる。

今回のロボデックスでは、テクニカルパートナーであるHOYAが開発した音声合成エンジンソリューションを搭載したシンプルが参考出品された。ディープラーニングの導入により、従来の技術では難しかった相槌や語尾、言い回しなどの細かいニュアンスの表現力が大幅に向上し、より繊細で自然な音声が実現できるようになったという。

VAIOのEMS事業はPC事業に次ぐ事業の柱として成長してきたが、今回のロボット汎用プラットフォームの提供によって一気に加速させようとしている。

《山田清志》

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