【スーパーフォーミュラ 富士テスト】初日、最速タイムは関口雄飛が刻む…新人の福住仁嶺と千代勝正が5&6番手

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初日トップタイムの#19 関口雄飛。
  • 初日トップタイムの#19 関口雄飛。
  • 初日トップタイムの#19 関口雄飛。
  • 初日2番手タイムの#2 国本雄資。
  • 初日3番手タイムの#37 ロシター。
  • 初日4番手タイムの#4 山下健太。
  • 初日5番手タイムの#15 福住仁嶺。
  • 初日6番手タイムの#50 千代勝正。
  • B-Maxレーシングチームの#50 千代勝正(左)と本山哲監督。

スーパーフォーミュラ(SF)富士公式テスト初日(28日)、ドライコンディションで多くの陣営が精力的な走り込みを重ねるなか、午前午後総合のトップタイムを参戦3年目の関口雄飛が記録した。新人の福住仁嶺と千代勝正が5、6番手タイム。

富士スピードウェイは春らしい晴天に恵まれた。絶好の観戦日和とあって平日のわりには多くのファンが詰めかけたなか、今季第2回のSF公式テストがスタート。初日は午前午後それぞれ2時間~2時間10分の走行セッションが実施された(午後は10分延長)。参加は全11チーム・19台で、この日はいずれも今季のレギュラードライバーが出走している。

世界有数の長さを誇る富士のストレートでは、SFの最高速は320km/hに迫ろうかという高い次元の数字に到達。310km/hは当たり前という状況で、富士に集まった熱心なファンにとっては、その迫力をあらためて堪能できた一日であっただろう。

どちらかというとロングラン系のメニュー消化を中心にしたと思われる陣営が多く、最多周回数のマシンは午前と午後の合計で108周を走破。トラブルやアクシデントも多くはなく、最少周回のマシンでも68周を走っている。ベストタイム順位に関しては、タイヤにソフトとミディアムがあり、さらにはタイムを出したタイミングもまちまちなので一斉比較は難しいところだが、総合トップタイムをマークしたのは走破周回数が69周で2番目に少ない#19 関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL/エンジンはトヨタ)だった。

関口が午前の最後にソフトタイヤでマークしたこの日の最速タイムは1分21秒861、唯一の21秒台である。今回のテストでは午前のセッションのみオーバーテイクシステム(OTS)の使用が2回まで認められており、その2回を叩き込んだラップでの、いわば“超絶時計”だ。しかし走行終了後の関口のテクニカルミーティングはいつも以上に長い印象で、コメントもそれほど景気のいいものではなかった。

タイヤのセット数と時間配分を考えて、朝、路面が出来上がるまでは「待ちました」と、関口は他車よりゆっくりめに始動(これが総周回数の少なさにつながったのだろう)。マシンのフィーリングは「最初から良かったです」。

ところが一日を走り終わってみると、「いろいろといじっていったわりに(実質的なタイムが)最初と変わらなかった。これは去年までの傾向でもあるんですけどね」との分析を関口は吐露。午後は7番手のタイム、「ミディアムで出したタイムとしては僕が一番速かったと思うんですけど、朝と比べるとみんなとの差が縮まっている感じです」。

ベストタイムでは他をちぎったが、内容的にそこまでの手応えは得られなかった関口。しかし、「いろいろ(セットアップを)試したなかで良さそうなものはあったので、明日また再確認します。明日の予定はもう決まっています」と、しっかりした計画でエンジニアとともに前に進んでいるようでもある。今年でSF参戦3年目、過去2年はタイトル争いの主役の一角を演じながら、栄冠には手が届かなかった関口だけに、明日の最終日に“もう一押し”の良化を果たしたいところだ。それが王座獲りへのキーにもなるだろう。

午前午後総合2番手のタイムは、2016年王者 #2 国本雄資(P.MU/CERUMO・INGING/トヨタ)がマークした1分22秒168。こちらは午後のタイムだった。

3番手は復帰参戦組の#37 J.ロシター(VANTELIN TEAM TOM'S/トヨタ)、4番手は2年目の#4 山下健太(KONDO RACING/トヨタ)、そして5~6番手に今季新人の#15 福住仁嶺(TEAM MUGEN/ホンダ)、#50 千代勝正(B-Max Racing team/ホンダ)がつけてホンダ勢1-2と、タイムの完全横比較は不可能な前提ではあるが、フレッシュな面々が上位を占める結果となっている(前回の鈴鹿テスト2日目も近い傾向があった)。

前日に今季最終の参戦シートを射止めた#7 ピエトロ・フィッティパルディ(UOMO SUNOCO TEAM LEMANS/トヨタ)は午後セッションの9番手タイムをマーク(総合16番手)。鈴鹿の時もそうだったが、ブッツケ本番に近いテスト参加にしては、常に出足はわるくない雰囲気だ。

42年前の1976年には祖父のエマーソン(72&74年F1王者)が日本初開催のF1公式戦を走った舞台でもある富士。76年のF1富士戦は悪天候、コースレイアウトも今とは違ったが、富士の特徴である長い直線は当時からほとんど変化していない。ピエトロは初めての富士走行後、「昨日初めて見たけど富士山は綺麗だね。(直線の後の)ビッグブレーキングなどがある富士のコースも、とてもエンジョイできたよ」と笑顔だった。明日のさらなる前進に期待したい。

SF富士テストは明日(29日)までの開催。2日目も9時30分~11時30分と14~16時、2回の走行セッションが予定されている。

《遠藤俊幸》

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