100km/hで走りながらトンネル内壁のヒビ割れを検知…西日本高速道路エンジニアリング九州【ハイウェイテクノ2017】

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西日本高速道路エンジニアリング九州が開発したトンネル覆工表面撮影車「eQドクターT」。
  • 西日本高速道路エンジニアリング九州が開発したトンネル覆工表面撮影車「eQドクターT」。
  • 7本のスリットにはそれぞれ異なる角度で赤外線カメラがセットされている。
  • スリットの内部。中央にあるのがカメラで、その上下に近赤外線LED照明が備わる。

トンネルの内壁はタイルなどが浮いてきたりすれば剥がれ落ちる危険性があるため打音検査などが必要だ。最近はタイルによる装飾を廃止しているトンネルも多いが、そうなるとコンクリート自体のヒビ割れが起きていないか点検する必要がある。

平成26年度の道路法改正により、トンネル点検は「近接目視により5年に1度の頻度で行うことを基本」とすることが義務付けられている。とは言っても、すべてのトンネル内壁を作業員が直接目視で点検することなど不可能に近いから、カメラシステムを用いて画像からヒビ割れがないか検知して、見つかったヒビ割れを作業員が直接点検や補修を行っている。

これまでもトンネル内壁を走行しながら撮影し、その画像からヒビ割れがないか確認するシステムは使われているが、強い光を当てながら走行するため、走行中のドライバーが気になってわき見運転をする原因になることもあったようだ。

西日本高速道路エンジニアリング九州が開発したトンネル覆工点検システムは、トンネル覆工表面撮影車「eQドクターT」を用いて高速走行しながらトンネル内壁を連続で撮影し、表面の画像を自動作成しヒビ割れや形状の異常などを自動で抽出するというもの。なんと0.2ミリまでの細いヒビ割れを100km/hで走行しながら検出できるそうだ。

そのeQドクターTのルックスもなかなか凄い。日野デュトロをベースにキャブまで一体のボディとして、車体中心から後部にかけて7本の大きな溝が刻まれている。7本の7台の赤外線カメラを装備。それぞれのカメラは角度を変えてトンネル内壁の半円をカバーできるようになっていて、天井方向のカメラは撮影ユニットが上部にせり出してくるようになっている。

高速道路などのトンネルを走行中、こうしたクルマに遭遇したら「トンネルの安全性を検査してくれているんだな」と思って感謝、安心して欲しい。

《高根英幸》

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