【福祉機器展2017】病院発ベンチャーのアイザック、移動ロボットを開発・販売…量産化に向けて奮闘中

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アイザックが開発した移乗・移動ロボットKeipu(ケイプ)。(福祉機器展2017)
  • アイザックが開発した移乗・移動ロボットKeipu(ケイプ)。(福祉機器展2017)
  • アイザックが開発した移乗・移動ロボットKeipu(ケイプ)。(福祉機器展2017)
  • アイザックが開発した移乗・移動ロボットKeipu(ケイプ)。(福祉機器展2017)
大学発のベンチャーはこれまで何社もあったと思うが、病院発のベンチャーというのはほとんど例がないと言ってもいいかもしれない。福島県会津若松市にあるアイザックがそうで、会津中央病院が2012年に医療・介護ロボットを研究開発するために設立した。

同病院は県内で1、2を争う規模の総合病院で、ベッド数800床以上を誇り、療養施設もある。リハビリスタップもいて、そこからさまざまな声が上がってくるという。そこで、同病院の南嘉輝理事長(アイザック会長)が音頭を取り、ベンチャー企業を立ち上げることになったという。そのために、専門の開発者や技術者を集め、いわき技術開発センターもつくった。

設立当初から福島県、県立大学、県内外の国立大学、地元企業などと産学官連携でロボットの研究開発に取り組んできた。13年には福島県の復興とロボット産業の集積地を目指し、災害対応ロボットの研究も始めている。

そんなアイザックが今回の「国際福祉機器展2017」に展示したのが「Keipu(ケイプ)」と名付けた移乗・移動ロボットで、前向きに乗るものだ。患者の「ベッドからもっと簡単に車椅子に乗り移ることができないかな」というちょっとした声を聞いたのが開発のきっかけだったという。

車椅子に乗るには一度後ろ向きになる必要があり、その際に患者を立ち上がらせて座らせる手助けをする介助者も必要になる。しかも、その動きはトイレなどに行く際、1日何度も繰り返される。そこで、前向きに乗れる車椅子をつくろうなったわけだ。

完成したケイプは大きさが61cm×73cm×105cmで、重量が47.3kg。利用者の最大体重は75kgで、前進2km/h、後進1.5km/h、登坂可能斜度が6度。座面と手すりの高さは自由に変えることができ、その場での旋回も可能だ。4~5時間の充電時間で約5.4km走ることができる。

「企画や図面を引くのもうちの会社でやり、製造を地元企業に頼みました。試作品ができるたびに、病院で実証実験を重ね、患者の声を取り入れながら改良を続けていきました。現在12台売れており、うち10台が会津中央病院で使ってもらっています」とアイザック関係者は説明する。

しかし、今のところコストが高く、価格が250万円もする。このままではなかなか普及させることは難しいと、現在、量産化に向けた技術開発に奮闘中とのことだ。「なんとか70万円程度に持って行きたい」と同社関係者と話し、今後は病院や福祉施設だけでなく、博物館や美術館、あるいは空港などで、足の弱った高齢者の移動手段として使ってもらうことも考えているそうだ。
《山田清志》

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