こうした状況にボーイングに投入したのが737 MAXシリーズだ。737-800の後継で、シリーズの主力となる「737 MAX 8」は旅客定員200席、競合はエアバスの「A320neo」。現時点で737 MAX 8は90社から3843機の発注(および予備発注)があり、2017年からデリバリーが始まって18機が5社に受領された。5社はすべてLCCだ。ハルスト氏は「単通路機の需要は旺盛で、ボーイングの予想を上回る」と明かす。
737 MAXは従来の「737NG」シリーズと比較してエンジンの燃料効率が15%、1998年に登場したNGの初期型と比べれば20%も改善されている。騒音は面積比で40%低減された。航続は737 MAX 8が6510kmで、737-800より1000km以上伸びた。東京発の場合、シンガポール。ジャカルタ、オーストラリア北部が新たにレンジに入る距離だ。
10月のパリ航空ショーではMAXシリーズの最大機種「737 MAX 10」のローンチを発表した。すでに16社から361機の発注(および予備発注)を得たそうだ。737 MAX 10の全長は43.8mで、737 MAX 8より4m長く、定員は230席。ハルスト氏によると「競合のエアバス『A321neo』より運航コストは6%低い」という。
737 MAXシリーズは2017年デリバリーの737 MAX 8に続いて、2018年に220席の「737 MAX 9」をデリバリー予定で、現在テスト飛行中だ。競合はA321neoとなる。2019年にはシリーズ最小172席の「737 MAX 7」をデリバリー予定で、これのライバルはエアバス『A319neo』だ。そして2020年に737 MAX 10のデリバリー開始を予定している。
《高木啓》